ナイロビ=清井聡
2015年12月17日01時41分
デジタル製品の関税をなくすWTO(世界貿易機関)の情報技術協定(ITA)の拡大交渉が16日、最終的に決着した。日米中など参加する約50カ国・地域は、医療機器やビデオカメラなど201品目のうち、90%以上の品目の関税を来年7月の発効から3年以内に撤廃する。完全撤廃は2024年1月。デジタル製品に強い日本企業の輸出に追い風となる。
WTO閣僚会合が開かれているナイロビで、林幹雄経済産業相ら関係国の閣僚が共同会見して発表する。
関税撤廃の対象に加わるのは、DVDプレーヤーやデジタル複合機、MRI(磁気共鳴断層撮影)装置など。経産省によると、対象品目の日本から世界への輸出額は約9兆円あり、うちITA参加国向けが約8割を占める。ITAによる関税削減額は約1700億円に上ると試算している。
ITAは1996年、29カ国が携帯電話やパソコンなど157品目の関税撤廃に合意して始まり、その後82カ国・地域に拡大。デジタル製品の多様化を踏まえて2012年から品目の拡大交渉が始まり、約50カ国・地域が今年7月、201品目の追加で合意した。その後、削減期間をめぐる調整をWTOのナイロビ会合に向けて続けていた。(ナイロビ=清井聡)
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