米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が15日始まった。16日(日本時間17日早朝)の利上げ決定は織り込み済みのはずが、“運命の日”が近づくにつれ、株の乱高下や中国など新興国通貨の急落、ジャンク(紙くず)債ファンドの破綻といった大波乱に見舞われている。
16日の東京株式市場で、日経平均株価は前日終値比395円93銭高の1万8961円83銭と大幅反発して午前の取引を終えた。404円高の1万8970円まで上昇する場面もあった。米市場でダウ工業株30種平均が156・41ドル高の1万7524・91ドルと続伸したことが好感された。
日経平均は今月初めに2万円を回復した後、15日までに約1500円も値下がりに見舞われた。
要因の一つが為替市場で安全資産として円が買われたことだったが、逆に新興国の通貨はこのところ軒並み急落している。中国の人民元や南アフリカ共和国のランドが対ドルで連日安値を更新。「2016年に五輪が開かれるブラジルでも、レアルが暴落し、債務不履行(デフォルト)が発生するのではないか、との見方も出てきた」(銀行系証券アナリスト)という。
債券市場では、格付けが低く高利回りのジャンク債を扱うファンドの破綻が市場の動揺を誘った。米ファンドのサード・アベニュー・マネジメントが、傘下の資産7億8850万ドル(約950億円)にのぼるジャンク債ファンドを清算すると発表したのだ。閉鎖予定のジャンク債ファンドはほかにもあるとされ、リーマン・ショック前年の2007年、仏金融大手BNPパリバの傘下ファンドが解約を凍結した「パリバ・ショック」の連想が市場に広がった。