自民党税制調査会が、生活必需品などの消費税率を低く抑える軽減税率について、2017年4月の導入時には対象品目を絞り込み、段階的に拡大する案を検討していることが23日、分かった。対象品目の線引きをめぐり「酒類を除く全飲食料品と新聞、出版物」など幅広い品目への適用を求める公明党との意見の隔たりは大きいままで、27日に再開される与党協議でも議論が紛糾する可能性が高い。
自民党税調は与党協議に先立ち23日に非公式の幹部会合を開催した。軽減税率の制度設計に向け、消費税増税分の税収を全て社会保障に充てる「社会保障と税の一体改革」の枠組みを維持し、対象品目や財源を検討する方針を確認した。
対象品目について、自民党税調の中には、まず「精米」や「生鮮食品」などに絞って適用を始め、財源次第で段階的に広げる案を推す声がある。社会保障や財政再建への影響を考慮し、導入時の税収減を最小限に抑えるためだ。
これに対し公明党税調は、増税で買い物時の負担が重くなる痛税感をどう軽くするかを重視。導入時からの「酒類を除く飲食料品と新聞、出版物」への適用か、そこから外食を除く品目への適用を主張する。ただ、そのケースだと税率を8%に据え置くと最大年約1兆3000億円もの消費税収が目減りする。