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【政治】軽減税率の飲食料品全般導入 自民「じくじたる思い」
二〇一七年四月の消費税増税と同時に飲食料品全般で導入が決まった軽減税率制度に関し、自民、公明両党は十四日、一六年度与党税制改正大綱案の取りまとめに向けて、手続きに入った。公明党は来年の参院選を中心とする選挙協力をてこに首相官邸を味方に付けて、ほぼ「満額回答」を得た。一方、自民党内には不満がくすぶる。 (後藤孝好、中根政人) 自民党本部で十四日、開かれた党税制調査会の幹部会合で宮沢洋一会長は「じくじたる思いがあるが、こういう結果になった」と合意内容に理解を求めた。 党税調はかつて歴代首相も口出しできない「聖域」とされた。だが、軽減税率導入に否定的だった前党税調会長の野田毅元自治相は十月、安倍晋三首相により事実上更迭された。途中から対応を任された谷垣禎一幹事長は党税調に同調し、対象品目を生鮮食品に限るよう主張。飲食料品全般を求める公明党と対立した。 公明党との友好関係を重視する官邸側は、谷垣氏にも譲歩を要求した。合意内容について、首相は十四日の講演で「最善の結果が得られた」と喜んだのに対し額賀福志郎・党税調小委員長は「自民党としては十分な姿とは思っていないが、了解した」と発言。党執行部や党税調の発言力の低下を印象付けた。 一方、公明党は山口那津男代表が十月中旬、「酒類を除く飲食料品」まで適用するよう主張。合意では外食は除外されたが、斉藤鉄夫党税調会長は合意直後、記者団の「満足か」との質問に「加工食品を含む幅広い対象と言ってきた。その通りになっている」と答えた。 公明党は昨年の衆院選で軽減税率の実現を重要公約に掲げた。要求が認められなければ「支持者に公約違反と言われる」(党幹部)と、選挙協力をちらつかせて自民党に迫った。 実際、自民党参院議員から「公明党との選挙協力が進まない」との声が浮上。米軍普天間(ふてんま)飛行場の移設をめぐり、安倍政権が重要視する来年一月の沖縄県宜野湾(ぎのわん)市長選でも「公明党の動きは鈍い」との情報があり、官邸を中心に危機感が広がった。 公明党は十四日、宜野湾市長選で自民党が支援する現職を県本部推薦とすることを了承。公明党幹部は軽減税率との関連を否定するが、合意を見届けたかのようなタイミングだった。 PR情報
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