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 阪急電鉄が、神戸三宮駅にある「神戸阪急ビル東館」(神戸市中央区)に入居している店舗を、来年1月11日で閉店することがわかった。新しい駅ビルに建て直す計画があるためだが、駅周辺は神戸市が再開発を計画しており、新ビルの概要や着工時期などはその調整を待って正式決定するという。東館の2階部分にある東改札口は、1月以降もそのまま使う。

 阪急の三宮駅の駅ビルは、1995年の阪神・淡路大震災で半壊。同年12月に仮設ビルとして現在の駅ビルがオープンした。鉄骨造の地上3階、地下1階建て、延べ約3700平方メートルで、スーパーや飲食店など13店舗が入居。屋上には列車無線用の大きなパラボラアンテナがある。

 これまでも阪急は新しい駅ビルの建設を計画してきたが、神戸市では昨夏から、地元住民や公共交通機関、有識者らを交えた「三宮構想会議」で三宮駅周辺の再整備について議論。市は今年9月、車道を減らして歩行者優先の空間をつくり、阪急やJR、市営地下鉄などの駅や周辺施設との一体性を高める地下、地上、デッキの3層構造の整備などを柱とした「再整備基本構想」をまとめた。

 阪急は「早急に駅ビルを建て直したい」(広報担当者)とするものの、建設計画の具体化には同構想との調整が必要で、「入居店舗との契約更新の時期が来るため、先に店舗を閉店することにした」(同)としている。(三嶋伸一)