RubyKaigi とは

これは Ruby Advent Calendar 2015 の15日目の記事です。


12月11日〜13日にかけて東京、銀座のベルサール汐留で開催された、 RubyKaigi 2015 に参加しました。

私は、そう多くのカンファレンス、勉強会に参加しているわけではありませんが、 それらと比べても RubyKaigi は多くの刺激を与えてくれました。

3日間2トラックで講演が行われ、幅広い内容とボリュームでしたので、 個別のセッションについて詳細をお伝えすることは諦め、 RubyKaigi を通して感じたことを中心に話をさせていただこうと思います。

きっかけ

私は、今回がはじめての RubyKaigi 参加でした。

参加するきっかけとなったのは、 昨年の Rebuild #56 @a_matsuda さんのお話を聴いたことでした。

(Ruby に関わるようになった、きっかけを問われて)

日本で Ruby のコミュニティに行ってみると、 当たり前のように中の人(Ruby の開発者)に出会えるんですよ。 それが、それまでに感じたことのない新鮮な驚きで..。

RubyKaigi って本当にコンテンツ力がすごくて、 お客さんとして行っていた時から感動してた。 少しずれるんですが、日本人として Ruby をやっている喜びってそこだと思うんですよ。
自分たちの母語で、世界一 Ruby が詳しい人の話を聞けるし、 質問や交流もできる。

いままでプログラミング言語の話って、英語でしかできなかったのに、 初めて日本語でやりとりされるコミュニティがある。 今の時代に、Ruby に関わることができて、すごい幸せだなと思っています。

56: Technically In Tokyo (a_matsuda) より引用、一部意訳

いま目の前で、決まっていく未来

私はオープンソース・ソフトウェアの開発に関わっていません。 特にプログラミング言語の開発などは、 一部のすごい人達によって決定、開発が進められていき、 私などには縁のないことだと考えていました。 他人事だと。

Ruby は仕事で使っていたので、 RubyKaigi では面白い開発事例など聞けたらいいな という程度の気持ちであったことを告白します。

しかし RubyKaigi は、そんな気持ちを良い意味で裏切ってくれました。

RubyKaigi は、最初に まつもとゆきひろ(Matz) さんのキーノートで始まります。 そこで まつもと さんは、Ruby は私一人で作っているわけではないと言います。 Ruby を使い、Ruby を良くしようという情熱を持った人たちの助けによって、 日々改善が続けられています。

キーノートでは、Ruby がどのように変化と成長をしていくのが良いのか、 言語の未来をどのようにして行くべきか、 ロードマップが示されます。

その進化の道標に対し、それに関わる人、 RubyKaigi に参加している私たち、ひとりひとりに、 それをどうやって具体的にしていくべきなのか意見を求められていると思いました。

その後に展開される各スピーカーのセッションも面白く、 まつもと さんが示した未来に対して、 それぞれのスピーカーが、自分が貢献できる分野で、 Ruby を具体的にどのようにしていくと良いかを意見していました。

それは、セッションを通して、 Ruby の未来について、スピーカー、参加者が一体となって、 ディスカッションしているような雰囲気といいますか。

このように言語の将来を近く、身近に感じるカンファレンスは、 RubyKaigi が初めての体験です。

例えば、 今回、まつもと さんから Ruby 3 に対する言及がありました。 その構想の一つとして Ruby3x3 (Three times Three, Three by Three) というキーワードがありました。

Ruby 3.0 は 2.0 よりも 3 倍高速にする。

笹田耕一(@_ko1) さんのセッションでは、 その高速化を実現するためのアイデアが提案されていましたし、 それぞれのスピーカーも、自分が貢献できる分野で、アイデアを出し合っていました。

それぞれが当事者

RubyKaigi は Ruby のコミッターだけを対象としているのではなく、 むしろ今まで Ruby と関わりの薄かった人に対しても、 参加することを求めているんだろうなと感じました。 RubyKaigi に参加した私たちに対し、 具体的にどういった行動を起こしていくと良いか、意見を求められている気がしました。

だって 「この問題についてアイデアのある人は、このあと意見交換しようよ」 って呼びかけていたりするほどです。

このように OSS や Ruby に積極的に参加、コミットしている人の話を伺うと、 自分のヘボさうんざりしてしまったり、 英語が全く理解できなくて、無力感に苛まれたりしました…。 けど、こういう情けない思いができるというのも大切なことだと思います。 自分には、何が足りていないのかを反省する機会となるからです。

RubyKaigi 2016 (Next Year)

私は福岡からの参加で、交通、宿泊、参加費とそれなりの出費はありましたが、 行ってよかったです。 この3日間で、膨大な情報、知識の一体何パーセントを持ち帰ることができたのかなと思います…。 英語は聞き取れないし、内容も難しかった…。

でも、技術者としての、今後の方向性を改めて考えなおすことができました。

RubyKaigi は、多くの関係者の、たくさんの時間、手間、情熱で、 成り立っているんだなと思いました。 おかげで、いろいろなものを受け取らせて頂きました。 とても勉強になりました、ありがとうございます。

まだ RubyKaigi に来たことがない方へ。

来年 RubyKaigi 2016 の開催は、実はもう決定しています。

2016年9月8日〜10日、場所はなんと 京都 ! 西日本に在住の方は、ちょっと行きやすくなるかと思います。 是非、一度 RubyKaigi を体験してみることをおすすめします。

Date: 2015-12-15

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komiyak

福岡在住のプログラマ