「アドラー心理学」に注目が集まっている。ユング、フロイトと並ぶ心理学の巨匠の教えに「職場の困った人」への対処法を、アドラー心理学のプロがすべて解決。「診断書&処方箋」付きです。
■「職場の困った人」診断書
【事例1】全力で否定
困った人「現状を打破するために、新商品を出そう」
私「私は出さないという手もあると思うんです」
困った人「何を言う! 絶対に出すべきだ! 」
→[自己防衛タイプ]
【事例2】まさかの「自慢」かぶせ
私「昨日、部長から褒められちゃったよ」
困った人「オレは2回褒められたぜ」
→[見下し自慢タイプ]
【事例3】まるでヤンキー
私「明日の商談ですが、やはりB案を提案したほうがいいのではないでしょうか」
困った人「あー? なんだと? めんどくせーなー! A案でいいんだよ! 」
→[怒り不機嫌タイプ]
【事例4】そりゃそうなんだけど……
私「ではみなさん、話し合いの結果、リスクはあるがB案に挑戦するということでいいですね」
一同「まあ、そうだよな」「うん、そうだよな」「そうしよう」
困った人「いや、リスクがある以上、B案には賛成できない」
→[正論KYタイプ]
[事例1:自己防衛タイプ]
▼自分と違う意見に存在否定をされたと感じ全力で戦う
ちょっと意見をしただけで逆切れして怒鳴り返してくるような人は、一見、攻撃的に見えるが怒りのスイッチの入り方を観察してみると、決して攻撃的なのではないことがわかる。劣等感が異常に強いために、自分が意見を言った直後に別の人が異なる意見を言っただけで、「自分の存在が否定された」と受け取って、怒ってしまうのである。
こうしたタイプへの対処の基本は「この人はこちらを攻撃しているのではなく、強い劣等感を抱えた自分が傷つかないよう自己防衛しているのだ」と明確に認識することだ。そうすれば、腹が立つよりも「可哀想な人」に見えてくるはずだ。
具体策としては「YES・BUT技法」を用いて一旦発言を認めてあげるといい。「なるほどそれも一理ありますね。ちなみに私の意見は」というように、「上書き」せずにこちらの意見を「横に並べる」のだ。言い争いになりそうなときは「バスルームテクニック」を使うといい。トイレに立つなどして、一度会話を切る。議論の内容より勝敗が主題になってしまった状態をアドラーは「権力闘争」と呼んだが、ひとたび権力闘争に陥ってしまった人間関係の修復は難しい。一度スイッチを切ってクールダウンするのが得策である。
処方箋▼たちまち手なずけられる一言
「なるほど。それも一理ありますね」
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