シリア、若者の消えたダマスカスの街

現在、ダマスカスの各地区やメインストリートから若者たちが逃避するという動きが加速している。これは、政権が若者を正規軍に義務兵役および予備兵役の招集を行うためのキャンペーンを張った後に顕著になった。この招集キャンペーンは約5年前のシリアでの革命勃発以来最大規模で行われている。これに加えて若者たちが就労機会を求めて移住を行うという動きも加速している。若者の中で唯一ダマスカスに残っているのは、政府軍各部隊やその民兵の武装メンバーのみである。

 

 

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西洋諸国への移住を目指してシリアの北、トルコに来た若いシリア人グループによると、ダマスカスのメインストリートや各地区、周辺地域で見かけるのは、大部分が女性や少女、そして予備兵役の年齢を過ぎた男性や学校の生徒、大学生で、その他としては「国家防衛隊」の志願兵などであるという。一方、義務兵役あるいは予備兵役の対象となる年齢の青年の存在はまれである。

軍に義務兵役に徴用されることを恐れて、この兵役の対象となる年齢の者の大部分は国外へ逃亡する。この兵役は、その終了時期もわからなければ、兵役について以降の運命がどうなるかも全く不明である。特に彼らの大多数は反体制派の戦闘員との戦いの熾烈な前線へと投入され、多くの場合、彼らの運命は死をもって終わることになる。そして、「国家防衛隊」に属している者の多くは、自己の地域の治安維持とその防衛のためにこの防衛隊に属しているとのもっともらしい口実をもって、この前線へ行くことを拒否している。これらのランクの者たちは、非合法な手段により手っ取り早く富を得ているようであり、それは彼らの所有する高級車や、彼らの生活の中で行っている浪費を見ても明らかである。

 

al-Hayat紙(2015年12月06日付)/ 翻訳:桑田早季子

 

■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。

 

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