モスクワ=駒木明義
2015年12月16日09時05分
運転中止中の高速増殖原型炉「もんじゅ」と同じく、金属ナトリウムを冷却剤に使うロシアの新型高速炉「BN800」が10日、送電を開始した。ロシアは、ナトリウム冷却高速炉の開発を順調に進めている唯一の国。ロシア・メディアは今回の送電開始を「歴史的な出来事」と報じている。
BN800は、ウラル山脈に近いベロヤルスク原発の4号機として建設された。出力は88万キロワットで、もんじゅの約3倍となる。実用化に向けた最終的なチェックを行う「実証炉」と位置づけられている。
ロシアはソ連時代の1980年、実証炉の前段階の「原型炉」と位置づけるナトリウム冷却高速炉「BN600」を完成させた。当初は度重なるナトリウム漏れ事故に悩まされ、さらに86年のチェルノブイリ原発事故でロシアの核開発自体が大きく停滞した。しかし近年は安定的に運転を続けてきた。
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朝日新聞国際報道部
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