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ビッグデータつないで効率化と質向上を- 有識者コンソーシアムが政策提言
医療情報をめぐる課題の解決を目指して、産官学政の有識者でつくる「医療ビッグデータ・コンソーシアム」(代表世話人統括=本庶佑・先端医療振興財団理事長)は14日、東京都内で記者会見を開き、医療情報の活用に向けた政策提言を発表した。行政や医療機関、保険者などに分散している医療データを連結することなどを柱とし、近く関係省庁に提出する。【烏美紀子】
医療ビッグデータの活用を目指して政策提言を発表した有識者コンソーシアム(12月14日、東京都内)
よりデータに基づく診療報酬の実現を(2015/11/19)
イチから分かる医療ビッグデータ入門(2014/06/12)
同コンソーシアムは、医療や医療情報分野の専門家のほか、製薬企業など16社が参加して2014年11月に設立。約1年間の討議を経て、初めて政策提言をまとめた。
提言の柱は(1)医療ビッグデータを「つなぐ」(2)医療ビッグデータを「生かす」(3)医療ビッグデータで「変える」−の3つ。
(1)では、行政や医療機関、保険者、研究機関など、それぞれが独自に管理しているデータを連結する必要性を強調。国に対し、全国で構築されている医療ビッグデータの全量調査と、これらを整備・連結するための施策、さらにマイナンバーや医療等IDなどとも結び付ける施策を行うよう求めている。
(2)では、こうして連結させた医療ビッグデータの利活用について、個人情報保護法の運用ガイドラインの策定や必要な法整備を国に要望。民間も含めてデータへのアクセスのハードルを下げることで、医療の質の向上や効率化、新産業の創出を推進するとしている。
(3)では、医療ビッグデータで得られた新たな知見によって、医療の変革を実現。また、国がそれらの情報を国民に発信することで、一人ひとりのヘルスリテラシーの向上や、「医療ビッグデータは国と国民がつくる共有財」という意識をもたらすとしている。
代表世話人の一人、宮田裕章・慶大医学部教授(医療政策・管理学教室)は、欧米に比べて長い日本の平均在院日数を例に、「臨床側のデータとDPCデータをつなぐことで、医療の質や患者の安全に配慮しながらも、在院日数の短縮が可能になる。国の試算では、年間1.3兆円を削減できる」と指摘。「情報を共有するだけで、質もコストも両立できるシステムを見いだせるのではないか」と述べた。
同じく代表世話人の中山健夫・京大大学院教授(医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野)は、「データは、知識と知恵を持って解釈されて初めて、意思決定や問題解決に役立つ『情報』になる。医療ビッグデータをいかに情報化していくかが試されている」と訴えた。
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