隈元信一
2015年12月16日05時09分
東日本大震災の直後に開局し、NHKのテレビドラマにもなった宮城県女川町の臨時災害放送局「女川さいがいFM」が、来年3月末で閉局することが分かった。16日にもラジオ放送を通じて公表する。
女川町は津波被害で防災無線などの情報伝達手段を失った。この対策としてボランティアグループがFMラジオの活用を提案。免許を受けた町がこのグループに運営を委託し、2011年4月に開局した。地元の若者も番組に参加し、震災2年後には、そのうちの女子高生1人を主役にNHKがテレビドラマ「ラジオ」を放送して反響を呼んだ。FM局を見に町を訪れる人も少なくない。
ただ、運営費は苦しい状態が続いた。統括役の放送作家、大嶋智博さん(42)は「全国からの寄付がうれしかったが、人も予算も少ない中で頑張るのは限界がある。臨時局として5年が区切り」と話す。JR女川駅が再開し、防災無線などの整備が進んだことも勘案したという。
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