インドに“大甘”原発輸出 安倍政権はまるで「死の商人」
ましてや安倍政権はインドに使用済み核燃料の再処理を認めようとしている。再処理は核兵器に必要なプルトニウムの抽出につながる。取り決めはこれからだが、すでに「再処理を容認せよ」というインドの要求について、日本側は承諾する方針を協定交渉で伝えたと報じられた。
これまで日本は、原子力協定を結んだ6カ国には再処理を認めなかった。被爆国で「核なき世界」を追求する立場として当然の措置で、インドにもNPT加盟を促すのがスジだろう。インドは再処理で出るプルトニウムの量や所在を明記した「在庫目録」の日本側への提出を拒んでいるというから、なおさらである。
「安倍政権はインドの軍事転用に歯止めをかけるどころか、むしろ望んでいるフシさえ感じます。モディ首相と安倍首相は同じナショナリスト気質で馬が合い、ともに中国の『脅威』に敵対心を燃やしています。安倍首相にとってモディ首相は中国包囲網の最大のパートナー。中国と国境を接するインドへの核技術提供で、憎き隣国にニラミを利かせるつもりでいるのでしょう。インドがプルトニウムを増産すれば、それだけアジアの軍事的緊張は高まりますが、武器輸出を解禁した安倍政権には好都合です。インドが武器輸出の“お得意さま”になってくれますからね」(軍事評論家・前田哲男氏)
この国は本当に大事なものを失いつつある。