新刊『TPPに隠された本当の恐怖: ついに明らかになった危険すぎるシナリオ』 [Kindle版] (サイゾー刊)
http://amzn.to/1YhrfS0 が本日発売開始された。

TPP全文が11月5日に公開された。TPPはGDP比では8割を日米が占め、実質は日米間の条約である。
日本は既に27カ国とFTA、EPA投資協定を結んでおり、米国以外とのFTA拡大は現状の範囲内であり、わざわざTPPを締結する必要はない。わざわざTPPを締結するのは、米国側の対日要求実現が本音だからだ。

実質は日米条約であるにもかかわらず、正文は、英語、フランス語であり、日本語は正文ではない。また、英文正文が全世界公開されたのにもかかわらず、日本語訳は1か月たっても未だに政府から出てこない。和訳を政府が公開するのは、1月に国会で承認し、2月にニュージーランドで署名した後だそうだ。

そういう状況を見ると、日本国民にTPP条約内容を知られずに締結するために、敢えて日本語を正文にしなかったのではとも推測される。実際、私がこの数日間に面談した国会議員の誰も、TPP英文正文を読んでいなかった。条約の内容を知らず国会で審議し、承認されるとすれば、これはもはや民主主義ではない。

日本に民主主義を取り戻すためにも本書を刊行した。これまでもTPP関連本を出して来たが、それらは、P4原協定を元にしたものだ。本書は、本邦初の、そしておそらく世界で初のTPP正文全文を元にした書籍だ。短期間での出版を可能にしたAmazon Singlesの効果でもある。

TPPの爆弾は大きく分けて二つある。一つはP4原協定にはなかったISDS条項、もう一つは、ISDS訴訟を可能とするために、附則に散りばめられた細かい規定。本書では、早期の出版を優先し、ISDSに関連する条約本文の規定に的を絞った。附則の爆弾項目については別途執筆しようと思う。

ISDSについて、政府は、「TPPに対する誤解」というリーフレットで、「ISDSは、投資先の国が理不尽なルール違反を行って被害を被った場合、投資した者が損害賠償を求める訴え」であり、我が国には理不尽なルールはなく、問題とならないとしている。もちろん、そんな言い分が、カナダやメキシコ政府をISDSで訴えまくり全勝中の米巨大企業に、ワシントンDCの法廷で通用するはずがない。

11月のTPP全文公開から現在までの、国会議員に条約正文の翻訳を見せないままに、政府とマスコミがどんどんTPP批准、署名に向けて一方的に行動する姿は、我々の政府は本当に私達が選挙で選んだ人達なのだろうかという疑問が更に大きくなった。

TPPの英文正文に書かれていることを日本人全てに理解して欲しい。そして特に国会議員に読んで欲しい。そういう気持ちで本書を緊急出版した。 附則の爆弾規定については別途執筆しようと思うが、そのうちの一つについては、今週木曜日21時のMXテレビで話そうと思う。

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