ネトウヨ文化人として復活したケント・ギルバートの正体(後)
ケント・ギルバートはなぜ突然ネトウヨになったのか? 背後に右派人脈とビジネスのにおい
さらに唖然とさせられるのは、そこに中国や韓国に対するこんな差別的ヘイトスピーチまで加えられていることだ。
〈(日本の)謝罪により中国人・韓国人の未熟な国民感情は燃え上がり、火に油を注ぐことになる。〉
〈日本人は歴史上の真実に絶対性を求めているが、中国人や韓国人は主張が歴史上の真実かどうかなど、最初から気にしていない。〉
〈中国人と韓国人は、自分たちの都合に合わせて、その場しのぎの嘘を吐くことに罪悪感がない。〉
ようするに、これ、日本スゴイ論と日本はハメられたという陰謀論、そして中韓ヘイトと、ネトウヨ好みのネタを片っ端からぶちこんでごった煮にしただけなのだ。こんな“論文”を平気で応募できるという時点で、マーケティング狙いとしか思えないだろう。
しかし、真にマーケティング狙いなのは、そのケント・ギルバート氏を起用している右派メディアや保守論壇のほうかもしれない。
“テキサス親父”トニー・ラマーノ氏のブレイクや日本スゴイ本の売れ行きをみてもわかるように、ネトウヨ読者の間では今、日本をほめてくれる“白人”、中韓の悪口をいってくれる“欧米人”が大人気だ。メディアはそのことをわかっているからこそ、中身を度外視して、“白人”であるケント氏に群がり、右派論客としてかつぎあげたのである。
だが、商売のにおいがただよっているからといって、侮ってはならない。このネトウヨ米国人は、憲法改正運動の旗振り役をつとめ、テレビ番組に政治圧力をかける運動の呼びかけ人になるなど、現実にこの国の平和と民主主義を脅かす存在となりつつあるのだ。
来年も、ケント・ギルバート氏とその周辺の動向に目を光らせて置かねばならないだろう。
(宮島みつや)
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