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仏 州議会選 極右政党躍進で与党に危機感
12月14日 20時59分

仏 州議会選 極右政党躍進で与党に危機感
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フランスで13日に行われた州議会選挙の決選投票で、移民の排斥などを主張する極右政党が、いずれの州でも第1党に届かなかったものの、得票率を大幅に伸ばして存在感を高める結果になったことから、オランド大統領の与党の間では危機感が広がっています。
フランスでは13日、全国17の州議会議員選挙の決選投票が一斉に行われました。
フランス内務省によりますと開票作業は終了し、得票率はサルコジ前大統領が率いる中道右派の最大野党・共和党が40.24%でトップに、オランド大統領の与党・社会党を中心とする左派連合が28.86%でこれに続き、極右政党の国民戦線は27.10%で3位でした。
1回目の投票で躍進して注目された国民戦線は決選投票で、いずれの州でも第1党に届かなかったものの、前回、5年前の選挙に比べて、得票率をおよそ20ポイント伸ばし、存在感を高める結果となりました。
一夜明けてフランスの新聞は、「ひと安心したものの」、「敗れてもなお重い国民戦線」といった見出しで、国民戦線が1年半後の大統領選挙でも決選投票に残る可能性があると分析しています。
40代の女性は「国民戦線が支持を集めたのは苦しんでいる人が多いことを示している。政府はこうした人たちの声を聞いていかなければいけない」と話していました。
フランスのバルス首相は13日、「勝利も安心もない。これで極右政党が躍進するおそれが消えたわけでは全くない」と述べて、治安対策や雇用対策の強化に取り組む姿勢を強調するなど、与党の間では危機感が広がっています。

仏専門家「同時テロが移民排斥訴える極右政党への共感に」

フランスで13日に行われた州議会選挙の決選投票で、移民の排斥などを主張する極右政党が躍進した現象について、パリ政治学院で政治学が専門のノンナ・マイヤー教授が14日、パリ市内でNHKのインタビューに応じました。
今回の選挙で極右政党が躍進した原因についてマイヤー教授は、失業や難民の問題を巡る現政権の対応に不満が募っていることに加え、「同時テロ事件が起き、フランス国民がテロやイスラム過激派を恐れるようになったことが、移民排斥を訴える極右政党の主張への共感につながった」と分析しました。そのうえで、「ほかのヨーロッパ諸国の極右政党に、彼らが力を持っているという自信を与えた」と述べ、難民や移民の流入が大きな問題となっているほかのヨーロッパ諸国にも、今回の選挙の結果は大きな影響を与えるだろうという見方を示しました。さらにマイヤー教授は、2年後に行われる大統領選挙について、「ルペン党首が2位になる可能性がたぶんにある」と述べ、大統領選挙までに行われる最後の全国規模の選挙となった今回の州議会選挙で、大きく票を伸ばしたことはルペン党首にとって大きな成功だったと指摘しました。

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