Java 9の正式リリースは2017年3月へ、スケジュールの6カ月延期が決定

2015年12月15日

次期Javaとしてリリース予定の「Java 9」のリリーススケジュールが正式に変更されることが決定しました。

オラクルのJava Platform GroupチーフアーキテクトのMark Reinhold氏は、Javaのモジュール化を実現するための「Project Jigsaw」の開発の遅れを主な理由として、Java 9の開発スケジュールを6カ月伸ばすことを12月1日付のメーリングリストへの投稿で提案していました

JDK 9 release schedule

そのメールから1週間を経て特に反対意見が出なかったため、12月9日付のメールでスケジュールの変更が決定。Java 9のマイルストーン変更が行われました

新しいスケジュールでは、来年5月にフィーチャーコンプリート、再来年2017年3月23日にJava 9正式版がリリースされることになりました。

(2016/05/26 Feature Complete)
2016/08/11 All Tests Run
2016/09/01 Rampdown Start
2016/10/20 Zero Bug Bounce
2016/12/01 Rampdown Phase 2
2017/01/26 Final Release Candidate
(2017/03/23 General Availability)

Project Jigsawの苦難の歴史

振り返ると、Project JigsawはつねにJavaの開発スケジュールの悩みの種でした。

2010年9月には、Java 7のリリーススケジュールを優先させるためにProject JigsawをJava 7の機能から省く決定が行われました。Project JigsawはJava 8へ先送りされたのです。

その2年後の2012年7月、今度はJava 8を2013年にリリースすることを優先するため、Project JigsawはJava 9へ先送りすることが決定されました

そして今回、2015年12月。Java 9でProject Jigsawをなんとか実現すべく、開発スケジュールが6カ月伸ばされることが決定したわけです。

Javaのモジュール化が実現すれば、Javaは最小限の機能を備えたスリムダウンした言語仕様から、フル機能を備えた充実した言語プラットフォームまで、スケーラブルで柔軟な実装を選択できるようになるはずです。

これを実現することでJavaは小さなIoTデバイスから大規模なクラウドまで、これまで以上に活用の幅を広げられると期待されています。果たして、Project Jigsawは3度目の正直としてJava 9に無事実装されるでしょうか。

Reinhold氏は、Twitterでリリーススケジュールを6カ月伸ばすことで十分なのか、Java 10へ先延ばしすることを検討しなくてよいのかを問われて、次のように返答しています。

「現時点で分かっている範囲では自信があるけれども、大きなプロジェクトには不確定要素は付きものだ」というのが氏の答えでした。

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タグ : Java



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