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(12日、フィギュアスケートGPファイナル)

 チャンはSPの不調から抜け出した。宇野は自己最高を記録。フェルナンデスの得点も200点を超えた。イヤホンをしていても、会場の興奮は鼓膜まで届く。「やべぇな、みたいな」。21歳になったばかりの羽生は思う。NHK杯のような演技ができるだろうか、しなければ、と。

 充満した熱気のなか、リンクの中心に弧を描くように、滑り出す。4回転サルコー。4回転トーループ。序盤のジャンプを決めると少し冷静になれた。そして、気づく。「不安なんだ」。弱さを素直に認めたとき、「ノーミスじゃなくていい。一つひとつ」。過去の自分ではなく、次にこなす技だけに向き合えた。