平成27年1月23日(金曜日)発表
平成27年2月16日(月曜日)修正
あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター(名古屋市西区:以下、「センター」)は、丸石醸造株式会社(岡崎市:以下、「丸石醸造」)と共同で、大正天皇の大嘗祭(だいじょうさい)に献納され、近年に復刻された稲品種「萬歳(ばんざい)」を使用した清酒の開発に取組み、フルーティな香りとなめらかな味わいが特長の純米大吟醸「萬歳(ばんざい)」を完成させました。
平成27年1月28日(水)に、本開発についてご紹介する報道関係者向け説明会を丸石醸造にて開催しますので、是非ご参加ください。
なお、純米大吟醸「萬歳」は、平成27年2月7日(土)、8日(日)に丸石醸造で開催される「新春蔵開き 長誉(ちょうよ)祭り」を皮切りに、地域イベントや市内酒販店などで販売されます。
写真1.「純米大吟醸「萬歳」の箱ラベル(左)とボトル(右)」
大嘗祭は、天皇即位の際、大嘗宮の悠紀殿(ゆきでん)、主基殿(すきでん)に初めて新穀を供え、国家・国民のためにその安寧と五穀豊穣などを感謝し祈念する儀式で、大正天皇の大嘗祭では、悠紀の地は愛知県、主基の地は香川県が選ばれました。
そして、県内候補地から碧海郡(へきかいぐん)六ツ美村(現岡崎市中島町)の水田が悠紀斎田(ゆきさいでん)として選ばれ、悠紀斎田で作られた米「萬歳」が、大正4年(西暦1915年)11月の大嘗祭に献納されました。
現在も、これを記念する「六ツ美悠紀斎田お田植えまつり」が、毎年6月に開催されており、岡崎市の無形民俗文化財に指定されています。
また、平成27年は、大嘗祭から100周年にあたることから、地域での記念事業も企画されています。
「萬歳」は、その後、栽培が途絶えていましたが、県農業総合試験場に種もみが保管されていることを知った地元の農家が、平成20年に種もみ10gを譲り受け、試験的な栽培を再開しました。
平成25年に、六ツ美悠紀斎田保存会が、再度、県農業総合試験場から種もみを入手して本格的な復刻に取り組み、平成26年には玄米2,400kgを収穫しました。
「萬歳」の稲刈り(平成26年)
岡崎市の六ツ美地域で、明るく住みよい街づくりを理念とする有志の会「悠紀の里じゃんだら会」が、10年以上前から悠紀斎田や「萬歳」を活用した地域活性化に取り組んでおり、その一つとして「萬歳」を使用した清酒製造を丸石醸造に依頼しました。
丸石醸造では、これを受け、平成25年にその技術支援をセンターに要請し、センターが酒米分析等、以下の技術的なサポートを行いました。
「萬歳」は、元来、ごはんとして食べる“食用米”の品種で、清酒製造に適するか不明なため、酒米分析を行って丸石醸造が酒造りに使用する他の原料米「大地の風」、「雄町」と比較したところ、以下のとおり、「萬歳」は、清酒製造に適した“酒造米”の「雄町」に劣らない優れた特性を有することがわかりました。
品 種 名 | 大地の風 | 雄町 | 萬歳 | 酒 造 適 性 |
|---|---|---|---|---|
用 途 | 食用米 | 酒造米 | 食用米 | - |
千粒重*1 | 15.2g | 15.9g | 17.3g | 大粒の米品種が好まれる |
心白構造*2 | 無 | 有 | 有 | 心白有が良い |
タンパク含量 | 3.9% | 4.6% | 4.4% | 少ないほど良い |
大地の風
雄町
萬歳
試験名 | 特性(問題点) | 対応策(特性に合わせた製造条件の設定) |
|---|---|---|
吸水性試験 | 吸水が緩慢 | 吸水時間を長めに設定 |
消化性試験 | 米が溶けにくい | 汲水歩合(水を加える量)を抑え、溶解を促進 |
小仕込試験 | 発酵速度が速い | 発酵の緩やかな酵母を選択 |
小仕込酒分析 | 着色度が高い | 貯酒温度(貯蔵タンクでの保管温度)を低温化 |
丸石醸造では、センターの技術指導のもと、平成26年3月に「萬歳」を使用した純米大吟醸酒の実証仕込を1,000L規模で実施し、優れた酒質の清酒ができることを確認しました。これを受け、平成26年12月には再度、同規模の生産仕込を行い、純米大吟醸「萬歳」が完成しました。
【原料米】:平成26年産「萬歳」(精米歩合48%)
【風香味】:リンゴのようなフルーティな吟醸香と、
なめらかで丸みを持ったほど良い甘さが特長
アルコール分(%) | 16.8 |
|---|---|
日本酒度 | -2 |
酸 度(ml) | 1.7 |
アミノ酸度(ml) | 1.5 |
純米大吟醸「萬歳」をご紹介する現地説明会を以下の日程で開催します。ぜひご参加くださいますようよろしくお願いいたします。
【日時】平成27年1月28日(水)午前11時から正午まで
【場所】丸石醸造株式会社(岡崎市中町6丁目2番地5)
【内容】以下について、各担当者からご紹介します。
・純米大吟醸「萬歳」の商品特性について(丸石醸造)
・復刻米「萬歳」の醸造特性について(センター)
・「萬歳」による地域活性化について(悠紀の里じゃんだら会)
【その他】参加登録は不要です。当日、直接現地にお越しください。
醸造蔵内の撮影や個別取材についても、極力、柔軟に対応します。
写真3.純米大吟醸「萬歳」のボトル
純米大吟醸「萬歳」は、平成27年2月7日(土)、8日(日)に丸石醸造で開催される「新春蔵開き 長誉祭り」を皮切りに、自社売店及び市内酒販店などで販売されます。
ボトルは、米俵をイメージした紙を麻ひもで巻き留め、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」との格言が挟み込まれた立体的なデザインとなっており、高級志向で、つい手に取りたくなるスタイルをイメージしています。
また、丸石醸造では、純米大吟醸「萬歳」に加え、精米歩合60%の純米「萬歳」の生産も並行して進めており、合わせて商品展開を行っていく予定です。
※販売予定価格
純米大吟醸「萬歳」 720ml:1,900円(税込)
720ml:2,200円(税込)【100周年記念限定化粧箱入】
720ml:4,000円(税込)【100周年記念限定桐箱入】
純米「萬歳」 720ml:1,460円(税込)
1,800ml:2,840円(税込)
一方、「悠紀の里じゃんだら会」でも、平成27年2月15日(日)開催の地域交流センター六ツ美分館「悠紀の里」開館イベントを始め、100周年を記念するイベント等で販売し、地域の活性化につなげたい考えです。
化粧箱と桐箱
*1 千粒重
米粒1,000粒の重量をグラムで表したもの。数値が大きいほど米粒が大きい。清酒製造においては、通常、大粒の米品種が好まれる。
*2 心白構造
米粒の中心部にある白く不透明な部分。清酒製造では、ほど良い大きさの心白を持つ米品種が好まれる。
あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター
発酵バイオ技術室 伊藤、三井、石川
電話 052-521-9316(代)
愛知県産業労働部産業科学技術課
管理・調整グループ
担当 加藤、水野
電話 052-954-6347
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