日本で不祥事が起きると必ずチェックされるのが「マニュアル通りに作業を行っていたか?」であります。あたかも人間が鉄道のレールの上を決まったスピードで踏み外すことなくきちんと進んだか、と言わんばかりであります。そのマニュアルは文化や風習が違う移民国家アメリカで普及したもののほぼ単一国家の日本で日本人のカラーをさらに単色化にして「効率化」「平準化」を作り上げました。本家アメリカよりも優れているかもしれません。
そのマニュアルも考えてみれば誰か一人の勝手な行動が全ての人の迷惑になるという村落的発想が源流であったともいえます。それをさらに深堀すればそのやり方が正しかろうが、間違っていようがお上(会社)が決めたことはその通りにしなくてはいけない、という上からの押し付け、良く言えば儒教的発想がないとも言えません。
これは日本が国内から製品を輸出し、内需振興に励んでいた時代にはサイクルが国内だけで完了していますので問題ありませんでした。ところが世の中は大きく変化しました。
まず、80円台の円高時代に企業は海外の現地化を進め、国内の空洞化が叫ばれました。理由は為替もあったと思いますが、「地産地消」あるいは、EPAなどに絡む税を主体とした戦略的発想もあったでしょう。
次に少子高齢化で日本人だけでは手が足りなくなりました。その為に外国人労働者がいろいろな形で日本を支えるようになりました。
次いで観光立国日本を目指し、訪日外国人が爆発的に伸び、2015年度は既に1800万人水準にあり、過去最高となっています。このままですと通年で2000万人に手が届く数が期待されるほどです。
更に次いでTPP発効でモノが圏内で自由に動き出す時代がもうすぐ到来します。これは実際にはモノだけではなく、人やマネーも動きやすくなるため、今後、日本は一つのマニュアルが全てを解決する算段にはならない時代がやってきそうなのです。
話は変わりますが、日本で最も著名な旅館といえば加賀温泉の「加賀屋」でしょう。「プロが選ぶ日本のホテル、旅館100選」で35年連続総合一位のあのホテルといえばお分かりでしょうか?このホテルはおもてなしの源流があります。「おもてなし」は東京オリンピック誘致の際、話題になりましたが、実はその言葉が最もふさわしいのはこの加賀屋さんであります。私もだいぶ前ですが、一度だけ泊まらせていただいたことがあります。
この加賀屋さんはマニュアルがあってないようなものだそうです。来られるお客様は皆様、目的や期待が違います。そのお客様をきちんと受け入れ、満足させるにはどうしたらよいか、これは紙に書いたマニュアルで表現できるものではありません。客席係が事前になるべく多くの情報を得、お迎えからお客様との些細な会話を通じてお客様の心の中に入り込む技量を持っているのです。毎日違うお客様と接しながらお客様の満足をひたすら追求するその姿勢が35年間もトップという座につける理由であります。
これは基本マニュアルこそあれど、あとは全て現場の最前線のスタッフが最適判断をする能力を持っているといえ、一朝一夕には磨かれるものではありません。長い期間勤め上げることで得られる技であります。
先日、日本のある地方都市で宿泊した際、夕食にどこに行ったらよいか、フロントで聞いたところ、ネットで調べてここが人気です、と言われてしまいました。ネットなら私でも分かるわけで、地元の人が足で稼いだ情報や体験をもとにお勧めを教えてもらいたかったのに非常に残念な思いをしました。
マニュアルに頼り過ぎる日本に一抹の不安を感じる時はあります。それは不測の事態が生じたとき、マニュアルに書いていなければ右往左往するだけになるリスクがあるということです。人間は機械ではありません。考える能力を持っています。それをきちんと養わないと日本がいつの間にかフェイドアウトしてしまうだけでなく、素晴らしい伝統と文化が繋がらなくなることすらあり得えるのではないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
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また明日お会いしましょう。
そのマニュアルも考えてみれば誰か一人の勝手な行動が全ての人の迷惑になるという村落的発想が源流であったともいえます。それをさらに深堀すればそのやり方が正しかろうが、間違っていようがお上(会社)が決めたことはその通りにしなくてはいけない、という上からの押し付け、良く言えば儒教的発想がないとも言えません。
これは日本が国内から製品を輸出し、内需振興に励んでいた時代にはサイクルが国内だけで完了していますので問題ありませんでした。ところが世の中は大きく変化しました。
まず、80円台の円高時代に企業は海外の現地化を進め、国内の空洞化が叫ばれました。理由は為替もあったと思いますが、「地産地消」あるいは、EPAなどに絡む税を主体とした戦略的発想もあったでしょう。
次に少子高齢化で日本人だけでは手が足りなくなりました。その為に外国人労働者がいろいろな形で日本を支えるようになりました。
次いで観光立国日本を目指し、訪日外国人が爆発的に伸び、2015年度は既に1800万人水準にあり、過去最高となっています。このままですと通年で2000万人に手が届く数が期待されるほどです。
更に次いでTPP発効でモノが圏内で自由に動き出す時代がもうすぐ到来します。これは実際にはモノだけではなく、人やマネーも動きやすくなるため、今後、日本は一つのマニュアルが全てを解決する算段にはならない時代がやってきそうなのです。
話は変わりますが、日本で最も著名な旅館といえば加賀温泉の「加賀屋」でしょう。「プロが選ぶ日本のホテル、旅館100選」で35年連続総合一位のあのホテルといえばお分かりでしょうか?このホテルはおもてなしの源流があります。「おもてなし」は東京オリンピック誘致の際、話題になりましたが、実はその言葉が最もふさわしいのはこの加賀屋さんであります。私もだいぶ前ですが、一度だけ泊まらせていただいたことがあります。
この加賀屋さんはマニュアルがあってないようなものだそうです。来られるお客様は皆様、目的や期待が違います。そのお客様をきちんと受け入れ、満足させるにはどうしたらよいか、これは紙に書いたマニュアルで表現できるものではありません。客席係が事前になるべく多くの情報を得、お迎えからお客様との些細な会話を通じてお客様の心の中に入り込む技量を持っているのです。毎日違うお客様と接しながらお客様の満足をひたすら追求するその姿勢が35年間もトップという座につける理由であります。
これは基本マニュアルこそあれど、あとは全て現場の最前線のスタッフが最適判断をする能力を持っているといえ、一朝一夕には磨かれるものではありません。長い期間勤め上げることで得られる技であります。
先日、日本のある地方都市で宿泊した際、夕食にどこに行ったらよいか、フロントで聞いたところ、ネットで調べてここが人気です、と言われてしまいました。ネットなら私でも分かるわけで、地元の人が足で稼いだ情報や体験をもとにお勧めを教えてもらいたかったのに非常に残念な思いをしました。
マニュアルに頼り過ぎる日本に一抹の不安を感じる時はあります。それは不測の事態が生じたとき、マニュアルに書いていなければ右往左往するだけになるリスクがあるということです。人間は機械ではありません。考える能力を持っています。それをきちんと養わないと日本がいつの間にかフェイドアウトしてしまうだけでなく、素晴らしい伝統と文化が繋がらなくなることすらあり得えるのではないでしょうか?
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案内所に立っている女性とか?・・答えが決まっていて”面白さ”がゼロ・・誰が教えるんですかね。
でも、総体的には日本は工夫の王国ですね。随所にそれが見られます。常に何がベストか? を考えてますね。
アメリカも日本に比べると大したことないです。アメリカが上手に見えるのは英語のお陰です。英語の普遍性が強いからです。
日本人はそのハンディーを乗り越えてます。ガラパゴスと揶揄されるのは英語圏の枠組みから外れるからです。