韓国で健康診断の予約殺到=MERS流行で6-7月受診できず

 ソウル市永登浦区のある大型病院の健康診断センターでは、年末の健診予約が急増し、先月以降は遅くとも2週間前までに予約を入れなければ健診を受けられなくなっている。1週間前の予約でも受けられた1年前とは大きな違いだ。昨年は基本的な健診なら45分程度で済んでいたが、今年は1時間半ほどかかる。女性の子宮がん検診は年内の予約がすでにいっぱいで、来年まで待たねばならない。ある会社員(32)は「毎年年末は人が多くて予約が難しいが、今年はいつも以上に取りにくい」と話した。

 ほかの病院も状況は似たり寄ったりだ。ソウル聖母病院も、今月は1年前に比べ健診の受診希望者が2-3割ほど多い。

 年末の健診希望者が急増しているのは、今年5月に発生した中東呼吸器症候群(MERS)の影響だ。健診は主に小・中・高校生の夏休み直前に当たる6-7月と年末の11-12月に集中するが、今年はMERS流行を受けて6-7月の受診者が大きく減った。中には、この期間に健康診断センターを閉鎖した病院もあった。

 国民健康保険公団の京仁地域本部によると、京畿道内の一般健康診断対象者のうち、今月初めの時点で54.3%しか健診を受けていないという。ソウルの大型病院の関係者は「MERSが流行したときに健康診断センターはもちろん病院にさえ行きたがらなかった人々が、年末に健診センターに殺到している」と話した。

 病院は健診時間を延長するなどの対応を取っている。ソウルの江北サムスン病院は1日の健診の人数を増やすため、先月から健診開始時間を午前8時から7時に早めている。職員が休みを返上し、日曜日に健診を行う病院もある。

クァク・レゴン記者 , オム・ボウン記者
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