懲罰的慰謝料、「最悪のブラック企業」和民に初適用=東京地裁

月141時間の残業強要し新入社員が自殺
社是は「死ぬまで働け」

 「365日24時間、死ぬまで働け」という経営理念を掲げ、過酷な残業を強要していた日本の「ブラック企業」が、過労のため自殺した従業員の遺族に対し、1億3365万円を賠償する内容の和解に応じた。問題の企業は、1986年に設立された居酒屋チェーン「和民」だ。2008年6月、神奈川県のチェーン店の社宅近くで、厨房担当の森美菜さん(当時26歳)が自ら命を絶った。入社してからわずか2カ月後のことだった。父親の豪さん(67)と母親の祐子さん(61)は納得できず、法廷闘争に打って出た。

 過労死の認定基準となる残業時間は月80時間とされているが、美菜さんは月に141時間も残業していた事実が明らかになった。休日にも朝からさまざまな研修があった。社員向けの「理念集」の内容は日本社会に衝撃を与えた。「できないと言うな。勤務時間にきゅうきゅうとするな。仕事を完遂したときが、仕事の終わりであって、所定時間働いたからといって終わりではない」。電車が動いていない時間に終わると、会社はタクシー代を出すのではなく、始発まで店内で待機させた。

 日本の市民団体は2012年から13年にかけ、和民を「最悪のブラック企業」に選んだ。創業者であり、現在国会議員になっている渡辺美樹氏(56)は「(社員が自殺したからといって、ブラック企業と言われるなら)日本にはブラック企業が1000社、10000社ある」と反発した。だが、国民的な怒りの声に、放漫な事業拡大や経営上のミスも重なり、売り上げは急減した(今年3月現在、128億5700万円の赤字)。結局、会社は白旗を上げることになった。

 今月8日、東京地裁で和解が成立した。会社と創業者の渡辺氏が、美菜さんの両親に謝罪し、1億3365万円を支払うことになった。過労死をめぐる訴訟で「懲罰的慰謝料」が初めて適用された形だ。創業者が「最大の責任は私にある」と公の場で認めた。また、ほかの社員たちに対しても、未払いの超過勤務手当を支払うことになった。

東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員
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