【ソウル聯合ニュース】米国務省と財務省外国資産管理室(OFAC)が、北朝鮮のミサイル部隊を指揮・統括する戦略軍などを米国の行政命令に反する違法活動にかかわった疑いで特別制裁対象に指定した。今回の制裁措置は国連安全保障理事会決議による制裁とは別のもので、米国が推進してきた2国間レベルでの対北朝鮮制裁措置とみられる。
ただ、韓米は10月の首脳会談で北朝鮮核問題を「最大限の緊急性と確固たる意志を持って解決する」ことで合意しているほか、今月3日には米ワシントンで韓米日の6カ国協議首席代表が7カ月ぶりに会談しており、その直後の制裁措置という点で注目される。
今回の米国による北朝鮮制裁措置は、韓米日6カ国協議首席代表会談はもちろん、同会談に伴って行われた6カ国協議韓国首席代表の黄浚局(ファン・ジュングク)外交部朝鮮半島平和交渉本部長とズービン米財務次官代行(テロ・金融犯罪担当)との会談でも共有されたもようだ。
そのため、米国による対北朝鮮制裁ではあるが、北朝鮮を対話の場に導くための韓米日による協調姿勢を誇示する効果も狙っているとみられる。
また、北朝鮮が5月と先月末に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を実施したことに対する強力な警告メッセージと受け取れる。
韓国政府当局者は9日、北朝鮮・開城で今月11日に開催される南北次官級の当局者会談を前に制裁が発表されたことについて「南北会談と直接的な関連はない」と説明した。
韓国政府は米国の対話と圧力の「ツートラック」の原則に基づき圧力をかけながら、このところ北朝鮮との関係改善に動いている中国を通じ北朝鮮を対話の場に引き出すための努力を続けている。
政府当局者は「われわれは対話のためのハードルを下げ、扉を開けた状態だ」としながら、あらためて北朝鮮に姿勢の変化を求めた。
しかし、北朝鮮は非核化のための対話を拒否し、米国との平和交渉を行う会談開催を主張している。
これに対し韓国政府と米国は北朝鮮の核放棄とともに「直接関連する当事国が適切な枠組みで朝鮮半島の恒久平和に関する交渉を行う」と明記した2005年の6カ国協議共同声明(9・19共同声明)の完全な順守を求め、北朝鮮の主張を拒否した。