2015年12月11日 20:00
「攻殻機動隊」25周年リレーインタビュー シリーズ構成・脚本 冲方丁 前編 「K4」が「ARISE」になるまで
「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers」場面カット
(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会
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「攻殻機動隊」関係者に制作秘話を聞くリレーインタビューの最終回は、「攻殻機動隊ARISE」「新劇場版」のシリーズ構成・脚本を手がけた作家の冲方丁氏。同シリーズの企画立ち上げ初期から関わった氏に、作品の方向性が決まった経緯など、足かけ5年におよぶ足跡を語ってもらった。
冲方氏が「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を見たのは学生の頃。作家としてデビューする1年前のことだった。士郎正宗氏の「攻殻機動隊」を「エンタメの教科書のひとつ」として愛読していた氏は、映像化された同作を見て大いに勇気づけられる。
「当時はSFの人気がなくて、『本の帯にSFと書くと売れないから書くな』といわれるぐらい不遇な時代だったんです。そんなご時世に風穴をあけてくれた、日本SFの新しいエポックメイキング作品だと感じましたね。当時から時代もの、現代もの、SFものを同時に書けるような作家になりたいと考えていて、その3本柱の中の針路のひとつを見つけさせてくれました。『攻殻機動隊』は、作家としての自分を作ってくれた作品です」
アニメーション業界で仕事をするようになってからは、「攻殻機動隊」が業界に与えた影響力を実感し、SFジャンルを牽引していくひとつの流れを作ったように思えたという。
「ひとつのコンテンツが25年も生き残るのはなかなかないことですよね。しかも、ただ名作として語り継がれるのではなく、新刊として本屋さんにおかれて商品として生き残っている。これはやっぱり作品がもつ桁外れの力でしょう。僕も作家として、そういう作品作りをしたいなと思っています」
「攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers」場面カット
(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会
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そんな「攻殻機動隊」のアニメーション新企画に、冲方氏が参加することになったのは2011年のこと。Production I.Gの石川光久社長から話したいことがあるからと、六本木ヒルズの上階にある会員制のレストランに招かれる。
「石川社長が仕事で誰かを口説くときに、よく連れていくお店らしいんですが、確かにここでは断りにくいなと思いました。会員制だから、ひとりではなんとなく出づらいんですよね(笑)。六本木ヒルズのてっぺんというロケーションで、なぜか石川社長お勧めの親子丼をいただいたのも印象に残っています。そこで、『こんなものがあるんだけれど、どうかな?』とドサッと渡されたのが士郎(正宗)さんの描かれたイメージボードと、『K4』と書かれた企画書でした」
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