[ロンドン 10日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は、11月の生産量が日量23万バレル増の同3170万バレルと、2008年終盤以来の高水準を記録するなか、10日に公表した月次報告で、来年のOPECの原油に対する需要についてほとんど増加しないと予想し、供給過剰の拡大を示唆した。
また、非加盟国による原油供給は来年一段と減少するとし、市場シェアを守るために減産を実施しないOPECの方針の効果が出ているとの認識を示した。
報告は「非加盟国の供給を主導する米国でのタイトな原油生産が4月以降減少している。原油安や掘削活動の鈍化をはじめとするさまざまな要因を背景に、この減少傾向は今後数カ月間に加速する見通しだ」としている。
2016年の非加盟国による供給量は日量38万バレル減少する見通し。特に米国と旧ソ連諸国からの供給が縮小するとの見方を示した。前月の報告では、日量13万バレル減少すると予想していた。
一方、15年の非加盟国の供給量については予想を前回から日量28万バレル引き上げた。米国、ブラジル、ロシア、英国などの生産を上方修正したことが背景。
OPECはこうした見通し修正の結果、来年のOPECの原油に対する需要は日量平均3084万バレルと、これまでのOPECの予想を日量わずか2万バレル上回る水準にとどまる見込みという。
OPECの生産量は見込まれる需要を大きく上回る。
OPECは、加盟国が11月のペースで供給を継続すれば、16年の世界市場では日量86万バレルの供給過多が発生するとし、前月に示した予想の日量56万バレルから上方修正した。
16年の世界の原油需要は日量125万バレル増加するとし、これまでの予想を据え置いた。15年は日量153万バレル増になるとみられており、減速が予想されている。
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