「恋するフォーチュンクッキー」のファンPVが見せてくれる人々の生活とトンネルの向こう側という復興

三陸鉄道のあのトンネルの向こう側

もう一体いくつあるのかわからない「恋するフォーチュンクッキー」のファンによるPV。その恋チュンのファンPV、どんどん海を超え始めています。

まずは、インドネシアのジョグジャカルタ。

AKB48 32ndシングル「恋するフォーチュンクッキー」旋風が、 インドネシアの古都、ジョグジャカルタにも到来。

出典:Youtube

このジョグジャカルタVerの恋チュンPV。なんでも留学中の日本の女子大生2人の呼びかけから始まったそうです。なにせ、インドネシアにはJKT48がいますからね。それにしたって、この参加人数と撮影地の数はかなりのものです。すばらしい。

さらに、のちにAKB公式にも採用された恋するフォーチュンクッキーの台湾(Taiwan)Ver。

あなたの知っている観光地から、知らないお店までギュッと凝縮された3分間。台湾と日本のさらなる恋を祈念したフォーチュンダンスを、是非ご覧ください。

出典:Youtube

ジョグジャカルタ同様に大量の参加人数と撮影地。ジョグジャカルタと比較すると、参加している人たちの中に、日本文化をよく知っているとかしか思えない人たちがたくさんいますね。

振付師の竹中夏海さんの著作に「IDOL DANCE!!!: 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい」という名著がありますが、恋チュンのこれまでの数々のそして、このジョグジャカルタからの恋チュンを見て思うことは、「おっさんでもおばちゃんでも誰でも踊っている人たちがいる限り、世界は楽しい」ということです。

で、話は変わって、今更ですが、去年の紅白のあまちゃん。

あの紅白歌合戦のあまちゃんコーナー、あれがホントの最終回である157話となった。そのことに異論を挟むつもりはありません。

でも、あまちゃんという物語が、なにをきっかけにして始まったのか?ということを考えたときに、これこそあまちゃんの最終回の向こう側にあるものなのではないかというものが恋チュンPVとして登場していました。

あの三陸鉄道(あまちゃんでは北三陸鉄道)による恋チュンの「岩手県 三陸鉄道南リアス線 Ver.」です。で、この動画を見る前にお願いがあるのですが、そうしないと意味がわからないことになってしまうので、必ず最後まで見てください。どうぞ。

この最後、グッときますよね。いや、こないとは言わせたくない。そう、ようやくこの日を日付入りで知ることができるのです。

三陸鉄道とあまちゃんの関係については、以前ここで私が書いた記事にまとめてありますので、ここで多くは書きませんが、東日本大震災の復興の印のひとつと言ってしまっていいものです。

この防災の日、あの広範囲に広がった被災地の中から、選ばれた舞台は、やはり三陸鉄道(あまちゃんでは北三陸鉄道)でした。

出典:ヤフー個人「あまちゃんで震災のシーンが防災の日に放送されたことと宮藤官九郎の職業的倫理観について」

もう一度、さっきの恋チュンの三陸鉄道Ver.に戻りましょう。

全線運転再開を前に、これまで全国の皆さんからいただいたご支援への感謝の気持ち、そして大船渡市と釜石市との間を再び走りだす列車への期待を込め、沿線の市長や会社・学校などの皆さん約1,000人が踊った動画が完成しました。

出典:みんなのアクション

まもなく東日本大震災の3.11から3年が過ぎようとしています。過去の事例から、3年目に何をしたかで、それ以降の出来事への風化の変化に大きな違いが出るという話を聞いたことがあります。

1月17日で震災から19年になります。最新のニュースを紹介するとともに、復興の軌跡をたどります。そして今なお残る課題も見つめます。

出典:神戸新聞NEXT|連載・特集|阪神・淡路大震災

そんな中、この三陸鉄道の恋チュンPVは震災でも復興でも現場では1人1人の生きている人たちが行っていることなのだという当たり前のことを思い出させてくれるものでした。

正直、恋チュンPVのもろもろの動画の中には、個人的には面白くない、調子に乗りすぎと思えるものもないわけではないのですが、同じフォーマットであることで違いが見えやすくなり、何か見ているものの心を動かすということはあるんですよね。

まさか、恋チュンのファンPVでそんなことを考えさせられるとはまったく思っていなかったので、なんか妙に感激しているのです。ホント、きっかけなんてものはなんだっていいのですよね。

東日本大震災から3年。しかも今年は、都知事選やソチ五輪などもあり、年始から春にかけてイベントがどんどん続いていきます。震災に関することもニュースからアーカイブ的なものに移り変わっていくでしょう。

復興そのものも、まだまだこれからですし、それを伝える方法というのも、まだまだいろいろな可能性があるのだということを肝に銘じておきたいです。