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 医療機関で処方される湿布薬が来年4月から制限される。来年度の診療報酬見直しの議論の中で、厚生労働省が11日に提案。1回あたり70枚までとする方向で検討している。1回で70枚を超えて処方される患者は月に延べ30万人ほど。国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。

 中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で提案した。市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1~3割の負担で済む。政府の規制改革会議などでは、患者が必要以上の枚数をもらって使い切れずに残る無駄が問題視されてきた。

 厚労省が主要な湿布薬4種類を調剤した今年4月分の約377万件の処方箋(せん)を調べると、70枚超の処方が約33万件(8・9%)に上り、140枚以上処方されたケースも10万件以上あった。地域でのばらつきもあり、奈良県や山口県では70枚超の処方がほぼなかったが、最多の新潟県では処方箋の2割弱で70枚超を処方していた。

 厚労省は1回70枚の処方で十分だとみて、枚数を制限することで地域の医療費格差を是正しつつ、無駄な医療費を減らすことにした。制限枚数は年内にも正式に決める方針だ。(小泉浩樹、奈良部健)