くらし☆解説「内戦激化 シリアの避難民を救おう!」 2015.12.08


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマはこちらです。
激しい内戦が続くシリアは本格的な冬を迎え戦火を逃れた大勢の避難民が命の危険にさらされています。
担当は出川展恒解説委員です。
まず、シリアの内戦一層激しくなっているようですね。
出川⇒2011年に始まったシリアの内戦ですが去年IS・イスラミックステートという過激派組織が一気に勢力を拡大しシリアと隣のイラクにまたがる広い地域を支配しています。
そしてシリアでは、これまでに25万人以上が犠牲になりました。
難民も増えていて、ことしヨーロッパに流れ込んだシリア難民が大きなニュースになりましたね。
戦火を逃れ国外に脱出したシリア難民はおよそ430万人。
そして一部が周辺国からヨーロッパ諸国に移動しました。
9月、船の事故で亡くなった男の子の写真が報道されてシリア難民の問題が国際的な関心を集めました。
ところが、さまざまな理由で国外に出られずシリア国内で避難生活を送っている人たち国内避難民はおよそ650万人難民の数を大幅に上回るんですけれどもその様子はあまり知られていません。
こんなに多いんですね。
激しい内戦のただなかで命の危険にさらされているにもかかわらずです。
きょうは主に国内避難民に焦点を当てて今どんな支援が必要なのか考えたいと思います。
あまり伝えられていないのはどうしてなんですか?それは内戦の悪化でシリア国内での報道が非常に困難になっているからです。
難民と国内避難民を合計するとおよそ1100万人。
シリアの全人口のおよそ半数が住んでいた家を追われ避難生活を余儀なくされているという極めて深刻な事態です。
まず国内避難民について最新の映像をご覧ください。
シリア北部にある大きな都市アレッポです。
赤十字国際委員会が撮影したものです。
12月に入ると寒い日では朝晩の気温が氷点下まで下がります。
この家族は戦闘で家を破壊され別の場所に避難しましたが新居を見つけることができずに元の場所に戻ってきたということです。
十分な衣服も毛布も燃料もなくごみや廃材を拾い集めてたき火をして寒さをしのいでいます。
このお年寄りは内戦のため3回も住む場所を追われ現在は戦闘で壊れた建物に身を寄せています。
1人の娘以外に助けてくれる人はいません。
シリアの冬はそんなに寒さが厳しいんですか?はい、特に標高の高いところでは文字通り、いてつく寒さです。
シリアの赤十字にあたるシリア赤新月社では避難場所となっている建物にシートを張って冷たい風が入り込まないようにしたり子どもたちに冬用の衣服を配ったりしています。
しかしスタッフも予算も不足し支援は追いつきません。
シリアでは赤新月社のほかWFP・世界食糧計画やユニセフ・国連児童基金などが専門に応じた人道支援も行っています。
ところが国連による支援活動を統括する国連人道問題調整事務所によりますと人道支援を必要としている人の3人に1人およそ450万人には十分な支援が届いていません。
赤く色が付いているところです。
ここは激しい戦闘やISが支配しているため支援が困難な地域に暮らす人々です。
届けるのも簡単ではないんですね。
450万のうちの40万人については武装勢力に包囲されるなどして支援を全く届けることができないということです。
命の危険にさらされていますね。
武装勢力に包囲された住民や避難民には支援物資を届けることができません。
支援にあたっている機関は戦闘の当事者と交渉してそのルートを確保する必要がありますがISなどの過激派は交渉自体がまず成立しません。
そしてもう1つ資金不足の問題です。
国連人道問題調整事務所によりますとシリアで支援機関が必要としている金額のうち37%しかお金が集まっていないということです。
例えばシリアの難民と国内避難民に食糧を配布するWFP・世界食糧計画は世界各地で支援が増えた影響で今、深刻な財政難に見舞われています。
来月以降、支援を削減せざるをえなくなる恐れがあるということです。
こうした状況で最も深刻な影響を受けているのは子どもたちです。
ユニセフ・国連児童基金などによるとシリアで内戦が発生して以来これまでに数万人の子どもが犠牲になりおよそ600万人がけがや病気で人道支援を必要としています。
戦闘の恐怖にさらされ家族や友達の死を目の当たりにして心に傷を負った子どもたちが増え精神的なケアが必要だということです。
また、過激派が10代の少年たちに武器を与え戦闘に参加させる事例が後を絶ちません。
その一方で家計を支えるため働かされている子どもたちが数え切れないほど大勢います。
このためシリアでは少なくとも200万人の子どもたちが学校に通うことができません。
このままでは、いわゆる失われた世代となってシリアという国の未来が失われてしまいます。
国の将来も危うくしてしまいますね。
ですから学校に通えないにしても何らかの形で子どもたちに学ぶ機会を与えることが必要です。
本当に深刻ですね。
先月シリア赤新月社で国内避難民の支援にあたる2人のシリア人ボランティアの女性が来日しシンポジウムで思いを語りました。
このうち、ラガドさんは千葉大学に留学して日本語を学んで今シリアに戻って支援活動に携わっています。
私たちを忘れないでください。
それだけです。
みずからの命の危険を顧みずに支援活動を行っているんですね。
日本にいる私たちも何かできることはないですか。
まずラガドさんとラワンさんはもちろん怖くなってやめたいと思うこともありますが命の危険にさらされている人をそのままにしておけない人の命を救うのが私たちの使命ですと話していました。
しかし、われわれ日本人が激しい内戦が続いているシリアに入って活動できる状況ではありません。
ですから、赤十字、赤新月社や国連機関の活動を資金の面で支えるということが非常に大切だと思います。
資金さえ十分に集まれば大勢の命を助けることができるからです。
それぞれの機関がそれぞれの分野で支援活動を行っています。
NHKの海外たすけあいもその一翼を担っています。
皆さんの心のこもった志をお願いいたします。
次回は合瀬宏毅解説委員とともにお伝えします。
2015/12/08(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「内戦激化 シリアの避難民を救おう!」[字]

NHK解説委員…出川展恒,【司会】岩渕梢

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出演者
【出演】NHK解説委員…出川展恒,【司会】岩渕梢

ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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