慰安婦:舞台『ハナコ』、抑えの効いた演技で日本の蛮行を告発

抑えられた悲しみ、爆発する演技…厳粛な空気感漂う

慰安婦:舞台『ハナコ』、抑えの効いた演技で日本の蛮行を告発

 小さな笑い声と悲鳴が混じって聞こえてきた。「頑として押し切ってやって来た。ばか野郎! 汚い口をたたきながら」「しょっちゅう気絶するから腕にアヘンを入れた。そして、ぐったりした体に乗った。あいつらは悪魔だ!」…。カンボジアの旧慰安所の建物にやって来た女性2人の絶叫に、リハーサル室は静まり返った。厳しい表情で過去を回想するハン・ブニ役のイェ・スジョン(60)と、レン役のチョン・グクヒャン(52)の演技は見ているのがつらいほどだった。

 今月4日、ソウル・大学路のあるリハーサル室で行われた舞台『ハナコ』(キム・ミンジョン作、ハン・テスク演出)のけいこ。「慰安婦問題はややもすると感情的に流されやすいテーマなので、逆に抑えようと努力した。現在の私たちもこの問題と無関係でないことをお見せしたい」。マスクをしたまま、隅のいすに座っていた演出家ハン・テスク氏(65)が言った。イ・ヘラン演劇賞受賞者でもある同氏は、なかなかけいこ風景を公開しないことで有名な完全主義者だ。「いつかは必ず演出したかったテーマだ。台本を受け取って、『やります』と即答した」。

 劇団ムルリの『ハナコ』は、元慰安婦のハン・ブニが太平洋戦争時に生き別れた弟を探すためカンボジアを訪れるというストーリーを通じ、戦争と女性の悲劇を描いた戯曲だ。慰安婦をテーマにしたほかの舞台とは違い、日本の蛮行を告発するだけにとどまらず、現代の韓国人や日本人がこの問題を見つめるという複合的な視線を描いている。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
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