白い巨塔 #11−2【外遊先で大活躍の財前教授を待ち受けていた事実とは…!】 2015.12.08


(財前)グッドモーニング。
(一同)グッドモーニング。
(英語の会話)
(財前)メス。
(助手)ガーゼ。

(医局員)お先に失礼します。
(里見)お疲れさま。
〜〜〜〜
(財前と手術スタッフの会話)〜すいません。
〜〜
(拍手と歓声)
(講演司会者の財前の紹介)
(拍手)〜
(財前の英語の講演)〜
(英語の講演)
(拍手)
(拍手)
(にぎわい)エクスキューズミー。
(エマーソン)ゴロー。
(拍手と歓声)
(里見の英語の会話)
(医療関係者のポーランド語の挨拶)
(乾杯)〜
(財前)サンキュー。
(運転手)ユーアーウエルカム。
(財前)グッドナイト。
グッドナイトサー。
お疲れさまでした。
本当にすばらしいオペにすばらしい講演でした。
エマーソン教授があそこまで手放しで日本の医師を称賛するところは初めて見ました。
ハハッ。
幸運だったのかな。
西洋の言葉に「幸運とはチャンスに対して準備ができていることだ」というものがありますよ。
あなたも疲れたでしょう。
少し飲みますか?いえ。
奥さまがお待ちですから。
おい?おい?フフッ。
おかえりなさいあなた。
今日の講演海外のドクターには評判よかったみたいだけど食道温存治療が抜け落ちてたわね。
EMRは日本が開発した技術だし放射線治療の成績もよくなってきてるわ。
(財前)医大を中退してなきゃ君が教授になれたかもしれんぞ。
(ケイ子)ハッ!わたしは教授になれるほど自信過剰じゃありません。
自信がなければ俺はいないよ。
フッ。
とりあえず乾杯しましょうか。
(メールの着信音)
(ケイ子)どうかした?あっいや。
こんな夜に患者のことを知らせてくる非常識なヤツがいるんだ。
(ノック)
(関口)開いてますよ。
失礼いたします。
恐れ入ります。
(佐枝子)あの…。
採用ご担当の方は?あっ!キャッ!キャッ!
(関口のため息)
(関口)ああ聖華女学院の人?はい。
東佐枝子と申します。
(関口)ああ申し訳ない。
事務員の求人は出してたんだけど必要なくなったんだ。
はい?畳むことになってね。
畳む?
(関口)うん。
この事務所つぶれるんだよ。
えっ。
大手の事務所から独立してそこまではよかったんだけど大きな裁判に連続して負けてね。
でここ引き払って田舎に帰ることにね。
それはお気の毒でございました。
はぁ「お気の毒でございました」か。
さすが聖華女学院だね。
おかしいでしょうか?
(関口)ハハッ。
ああ申し訳ないついでであれなんだけどちょっと手伝ってもらえます?あっはい。
見つからないでしょ?仕事。
(佐枝子)はい。
見つかるまでアルバイトします?
(関口)ほら残務処理に1か月ぐらいかかるから。
(佐枝子)いえ。
せっかくですが長く勤められる仕事を探しておりますので。
今のままじゃ無理だと思うよ。
(関口)君見るからに世間知らずの…。
今じゃ死語だけどお嬢さまって感じなんだよ。
少し社会勉強してこう垢でも付けとかないとなかなか難しいと思うよ。
嫌ならいいけどさ。
あの。
(関口)うん?医療裁判を手がけていらっしゃるんですか?うん。
ずっと医療裁判専門にね。
何で?あっ法学部?いえ。
しかし医者ってのは最低だよな。
(関口)命を預かる立場にありながら命をゴミくず同然にしか見てない医者が多すぎるよ。
自分たちのやったこと隠ぺいするために徒党を組んで狡猾な手を使う。
狡猾な手使うのに必死でさ。
そうでしょうか。
そんな人ばかりではないと思いますが。
へっ?あっすみません。
失礼いたします。
(佃)どうだ?このあとアラジンで。
今日もですか?ハハハ。
財前先生の名誉会員推挙の前祝いだよ。
(安西)ハハッ。
いい。
(佃)お疲れ。
根詰めんなよ。
(2人)お疲れ。
お疲れさまでした。
(安西)お疲れさまです。
(里見)お疲れさま。
お疲れさまです。
柳原君。
今すぐHRCTを撮りなさい。
もし肺への転移によるリンパ管症を起こしていたら抗生物質は効かない。
治療方針を変更しなければならない。
財前先生が術後肺炎だとおっしゃいました。
財前先生は患者を診ていない。
(佃)里見先生。
いいかげんにしてください。
外科の患者の診断は外科でつけます。
だから君たちがCTを撮ってその上で診断すればいい。
なぜCTを撮ることにここまで抵抗しなければならないんだ。
(安西)財前先生がその必要はないと判断した検査を我々が勝手に行うことはできません。
教授の診断に異議を唱えてはいけないというくだらない考えは捨てなさい。
このまま放置して手遅れになったらそれこそ財前教授の責任になるんだぞ。
あっあの…。
もしもし。
(君子)佐々木庸平さんが急変です!
(君子)大丈夫ですよ。
先生すぐこちらに来ますからね。
佐々木さん。
大丈夫ですよ。
先生!
(うめき声)
(君子)先生!佐々木さん。
大丈夫ですよ。
(佃)ヤナ!どけ!
(庸平のうめき声)
(佃)マスクだけじゃ限界だ。
気管内挿管しよう。
(君子・安西)はい。
(佃)おいヤナ。
ヤナ!しっかりしろヤナ!はい。
(庸平のうめき声)アンビュ!
(君子)はい!はい。
おい安西!すいません里見先生。
外科のほうでちゃんとやりますんで。
(里見)おいこれだ。
(安西)あのすいません里見先生。
すいません!
(里見)ちょっと…!
(佃)押さえろ!
(安西)ホントすいません。
ホントにすいません。
(里見)ちょっと待ってくれ。
(安西)すいませんあの…。
すいません!失礼します!
(財前)本当にもう帰るのか?うん。
もう奥さんの振りは飽きたわ。
フフッ。
(財前)君には妻は向いていないかもしれんな。
(ケイ子)じゃあ何に向いてるって言うの?フフフ。
君は君だよ。
女子医大を中退して新地で高級クラブを営む少し変わり者の美人経営者。
それ以外の何者でもない。
そうね。
五郎ちゃんも五郎ちゃんでしかないものね。
俺はここで終わりじゃないぞ。
教授じゃ不服なの?欲しいものは手に入れてしまうととたんに色あせる。
世の常じゃないか。
今度は何になりたいの?それを考えるには最高の場所だな。
(アコーディオンの演奏)おもしろそう。
おい。
(アコーディオンの演奏)
(ケイ子)うわー!ハハハ!五郎ちゃん!
(ケイ子)五郎ちゃん!
(男)ゴローチャン…!
(ケイ子)ゴローチャン!フフフ。
(財前とケイ子のはしゃぐ声)
(アコーディオンの演奏)
(ケイ子)キャー!キャッ!
(アコーディオンの演奏)
(ケイ子)ねえ。
(財前)うん?五郎ちゃん。
うん?日本へ帰ったらもうウチへは来ないで。
別れましょう。
(ケイ子)わたしそれを言いに来たのかもしれない。
(アコーディオンの演奏)
(財前)なぜだ?
(財前)ほれるのに理由はいらないが別れるには理由がいるだろう。
(ケイ子のポーランド語の返事)
(財前)うん?
(ケイ子)わたしは五郎ちゃんが教授に上り詰めるとこを見たかったの。
そして五郎ちゃんは教授になったわ。
いつかは別れが来るなら最高のときに最高にきれいな場所で別れたいなと思ったの。
それは正式な妻になりたいということか?よしてよ。
わたしがそんなこと言うと思ってるの?わたしみんなの喝采を浴びる五郎ちゃんを見て最高にうれしくて震えるくらいうれしくてそして怖くなったの。
怖い?だって今が最高ってことはそれ以上望めないってことでしょ。
こんなに怖いことはないわ。
(財前)最高のときは一度だけじゃない。
上り続ける限り毎日が最高とは思えないのか?要するにゲームは終わったということだな。
かもしれないね。
分かった。
別れよう。
もう店にも行かないよ。
〜〜〜
(諒子)おかえりなさいませ。
(財前)ああご苦労さん。
あしたは夜のエマーソン教授との会食までお時間がありますがそれまで休まれますか?う〜んそうだな。
どこかおもしろい所ある?
(諒子)観光でございますか?どうせなら最高の所へ案内してくれないか。
もしお時間があるのでしたらぜひお見せしたい所がございますが。
うん?
(財前)アウシュビッツか。
驚いたな。
君が案内したい所がここだとは。
気が進みませんか?いや。
20世紀の遺産だ。
拝見するよ。
(諒子)財前先生。
コバルチクさんです。
今日館内を案内してくれます。
(ポーランド語の会話)コバルチクさんはこの収容所でご両親と兄弟を亡くされたった1人で戦火を生き延びられた方です。
(コバルチクの説明)〜〜次へ行きましょうか。
どんな気持ちだったのか。
(コバルチクのポーランド語の会話)
(諒子)「殺された者殺した者あなたは今どちらの気持ちを思いましたか?」わたしは医師です。
人の命を救う仕事をしています。
殺す者の気持ちなど分かるはずがありません。
(諒子の通訳)
(ポーランド語の会話)
(諒子)「しかしここではナチスの医師によって人体実験という名の殺りくも行われていました」人体実験。
(コバルチクの会話)「人の命を救うはずの医師がです」〜あなたがここへ案内してくれた理由が分かるような気がするよ。
ここは負の遺産というわけか。
(ドアの開く音)
(よし江)お父ちゃん!しっかりしてお父ちゃん!先生何してんですか?
(よし江)何でウチの人返事しないんですか?現在鎮静剤で眠っておられますので。
いつになったら目覚めるんですか?あしたの朝には目覚めるんでしょうね!?お父ちゃんううっ…。
聞こえる?お父ちゃん。
何?もっ…もっと大きな声で言って。
ねえ。
えっ?
(よし江)ううっ…。
何泣いてんのよ。
何泣いてんのよ!泣いたら嫌だ!お父ちゃん嫌だ!
(よし江の泣き声)
(モニターの警告音)
(君子)金井先生。
心停止です!
(金井)奥さん。
ちょっといいですか。
(よし江)いやー!
(金井)ちょっといいですか。
(よし江)いやー!いやー!
(モニターの警告音)
(金井)エピネフリンを5筒!
(佃)はい!IVHから。
(佃)はい!
(君子)はい!
(安西)お願いします。
(佃)よし!
(安西・佃)せーの!
(佃)よし!
(安西)どけ!
(金井)エピネフリン!
(君子)はい!
(金井)生食!
(君子)はい!
(安西)どけ!
(モニターの警告音)
(佃)エピネフリン入りました!
(モニターの警告音)VFです。
除細動するぞ。
200にチャージ。
(安西・佃)はい!
(佃)チャージできました!
(金井)離れてろ。
(佃)はい。
(衝撃音)
(よし江)ああっ!
(モニターの警告音)もう1セット投与するぞ。
(佃)はい。
(安西)先生。
代わりますんで。
代わります。
死なないで。
お父ちゃん。
わたしらを置いて先に死なないで!お父ちゃん。
あぁ…。
(佃)エピネフリン入りました!〜〜
(安西)代わります。

(よし江)やめてください。
もうやめてください。
〜〜
(金井)残念ですがご臨終…。
(安西)おいヤナ!やめろ!
(佃)ヤナ!ヤナ!
(佃・安西・金井の柳原を呼ぶ声)
(佃)いいかげんにしろ!
(安西)ヤナ!
(柳原の泣き声)
(金井)押さえろ!
(柳原)ああっ!〜
(よし江)「蒼天翔る日輪の」「青春の覇気美しく」「輝く我が名ぞ阪神タイガース」「オウオウオウオウ阪神タイガースフレフレフレフレ」
(ため息)
(メールの着信音)
(柳原の泣き声)
(鵜飼)なぜこんなことになったんだ?
(金井)それが今考えると術後肺炎ではなくガン性リンパ管症だったのかもしれません。
(鵜飼)術後すぐにそんなことがありえるのかね?
(金井)いや術前から気になる影があることはあったのですが…。
そんな状況でなぜ手術したんだ!
(柳原の泣き声)まあ起こってしまったことはしかたがない。
今後が肝心だ。
いいか家族に対して余計なことは一切言わんように。
臨床診断はあくまでも肺炎だ。
いいね。
(3人)はい。
おいヤナ。
聞こえたか。
返事しろ!はい…。
(金井)しかし術後合併症による死亡ですから家族には病理解剖をお願いしなくてはならないのでしょうか?解剖は困るよ君。
うまく断らせるしかあるまい。
(看護師)診察券と死亡診断書です。
何か必要な書類がございましたらご連絡ください。
失礼します。
(鵜飼)失礼します。
奥さん。
この度はお気の毒でした。
こんなときに申し上げにくいのですが解剖をご承諾いただけないでしょうか?解剖?ご主人がなぜ亡くなったのかを医学的に解明しなければならないのです。
お気持ちは分かります。
苦しんで亡くなられましたのにこの上体を切り刻んで痛い目に遭わせたくはないでしょう。
しかし医学の発展のためにご協力いただきたいのです。
医学の発展?主人は死んだんですよ。
(鵜飼)ですからお気持ちは分かります。
お断りになられる方もおられます。
しかしご主人を解剖した臓器や細胞は学問的に貴重な資料となり…。
(よし江)お断りします!これ以上主人傷つけるの嫌です。
(鵜飼)そうですか。
それほどご気分を害されたのなら無理にお願いするわけにはいかんでしょうな。
当たり前です。
お引き取りください。
佐々木さん。
解剖は病院や医学のためだけにやるのではありません。
なぜ亡くなられたかを解明することによって家族の方も納得できるんです。
(鵜飼)里見君。
無理強いをしてはいかんよ。
佐々木さん。
解剖はご主人の最後の声を聞くことでもあるのです。
お断りします。
何言われようと一刻も早くこの病院から主人連れて帰りたいんです。

(葬儀屋)ではご自宅に向かいます。
はい。
あの何かトラブルでもあったんですか?えっ?ああいやあんなにたくさんのお医者さんが見送られることあんまりないんで…。
それにあの真ん中の方医学部長ですよね。
普通大学病院の医学部長が見送りに出たりはしませんから。
どういうことですか?
(葬儀屋)いや…わたしが言ったと言われると困るんですが医療ミスがあったときとかこういうことが多いんで。
医療ミス?
(葬儀屋)念のため解剖をお願いしたほうがいいかもしれませんよ。
ご遺体を焼いてしまってからではどうにもなりませんから。
(よし江)止めてください!
(大河内)これより病理解剖を行います。
3時間ほどで終わりますので遺族の方は待合室でお待ちください。
(記者)来ましたよ。
(記者たち)財前教授!おめでとうございます!どうも。
ただいま戻りました。
(記者)お疲れさまでした。
(又一)五郎君!ハハハハハ!いやようやった。
名誉なことやった。
立派や。
(記者)ああ財前教授。
ぜひ会見をお願いできますか?
(記者たち)ぜひお願いします。
長旅で疲れておりますので明日病院のほうへお越しください。
(記者たちの声)
(又一)コメントやったらわたしでよろしいか?コメントやったらわたしでよろしか?わたしがお答えしまっせ。
お義父さん。
ちょっと失礼します。
はい。
はいはい。
(記者たちの騒ぐ声)わたしがお答えします。
代わりに。
〜おい!うん?財前先生。
佐々木です。
どちらの佐々木さんですか?
(庸一)あなたが手術をした佐々木庸平の息子です。
父は死にました。
あなたに殺されました。
母も僕もあなたを許しません。
いやいや。
そうそうですわ。
あっちょっとちょっとすんません。
(記者)あっすいません。
もう少しお話を…。
言いがかりは困るよ。
(又一)何や?僕。
えっ?五郎君五郎君。
何事や?患者の1人が死んだんです。
はあ?不幸なことですが病院ではしかたのないことですよ。
(又一)えっ!?何だよ!『アメイジング・グレイス』〜〜〜〜2015/12/08(火) 14:55〜15:50
関西テレビ1
白い巨塔 #11−2[再][字]【外遊先で大活躍の財前教授を待ち受けていた事実とは…!】

「待望の第二部衝撃スタート!!天国と地獄・後編」

詳細情報
番組内容
 財前(唐沢寿明)が国際学会の準備に追われている折、里見(江口洋介)が庸平(田山涼成)の再診を求めるが、それを無視し、財前は術後肺炎と断定、機上の人となる。公開手術も講演も成功させ、財前は国際学会の名誉会員に推挙される。だが、財前がアウシュビッツを見学している頃、庸平の容態はさらに悪化し・・・。
出演者
唐沢寿明 
江口洋介 
黒木瞳 
矢田亜希子 
水野真紀 
沢村一樹 
片岡孝太郎 
伊武雅刀 
若村麻由美 
西田尚美 
野川由美子 
池内淳子 
かたせ梨乃 
伊藤英明 
石坂浩二 
西田敏行ほか
原作・脚本
【原作】
山崎豊子

【脚本】
井上由美子
監督・演出
【企画】
和田行

【プロデューサー】
高橋萬彦 
川上一夫

【演出】
西谷弘

【音楽】
加古隆

【主題歌】
「アメイジング・グレイス」ヘイリー

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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