「きょうの健康」今週は「あなたの目大丈夫?」。
今日も昨日に続きましてヨネスケさんがゲストです。
(2人)よろしくお願い致します。
内容からご紹介しますと今日は最終日4日目です。
「白内障対策」についてお伝えします。
お話は眼科医の…どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
白内障は高齢者の方に非常に多い病気なんです。
よく聞きますね〜。
聞きますか。
白内障は40代から始まる人もいるんですけど50代では大体8.4%。
それから60代では40%。
70代になりますとなんと8割の方がなってます。
だからもう非常にポピュラーな病気になりますね。
長生きすると絶対白内障になると思って頂いた方が…。
今僕67で80%…。
必ず覚悟しとかなきゃ駄目ですね。
そうですね。
だけどそんなに恐れる病気ではないんです。
白内障どんな症状があるかというのを…。
まず一つは…ええ〜。
ヨネスケさんこの中どういう症状がほかにあります?だからうす暗いと文字や絵がちょっと見えないでしょ。
片目で見ると物が…。
まあ乱視も入ってますからね僕。
…という自分で納得してんですけどね。
これが怖いですね。
そうですね。
もしかしたら白内障の初期症状があるかもしれませんね。
これは目の断面図なんですけれども一番前が黒目の部分ですね角膜。
それからその後ろに水晶体がありまして今日はこのお話をします。
それから水晶体の後ろにはこのオレンジ色の硝子体というこれも透明なゲル状の組織があってここは目の形を保つだけなんですけどその後ろに網膜があってその網膜に光が角膜と水晶体を通って焦点を結んでそれで像が見えてその光の情報がこの視神経を通って脳の方に伝えられると。
そういう構造が目の構造です。
白内障になりますと目の中ですねどんな事が起こってるんですか?白内障というのはこのレンズの病気なんですね。
これレンズの解剖なんですけれどもこの前と後ろに薄い袋があります。
これ前のう。
「のう」というのは袋という意味なんですがこの前の袋それから後ろの袋の間に白内障の水晶体の皮質ですね。
それからこの核が存在します。
これが濁ってくるのが白内障なんです。
あっそこが濁ってくる…。
そうなんです。
それ年齢とともにという事でしたよね。
患者数が増えるという事でしたがほかにも何か原因はありますか?一番の原因はやはり加齢でそのほかにアトピーの方ですね。
それから目のケガをされた方。
若い時でもいいんですがぶつけた事のある方。
意外とこれは早く白内障になります。
それからステロイドですね。
これはほかの病気でステロイドを長期的にのんでる方も白内障になりやすい。
ほかにもいろんな目の病気ありますけれどもその目の病気が長引くと白内障になる事がよくあります。
長引くと?はい。
そうしますと治療としてはどんなものがあるんですか?濁りをなんとかしたい訳ですが一つは目薬というのがあります。
それかもう一つは手術ですね。
こちらの方がポピュラーですけれども。
実際この目薬というのは進行をゆっくりするしかないので濁りが取れる訳ではないんですね。
だからある程度進んでくるとどうしても手術で治すしかありませんので現時点では手術で治すというのが普通の手段です。
今日は手術に使うその眼内レンズお持ち頂いてるんですね。
これご覧になれるでしょうか?こういう小さいものなんですけど。
見た事ない。
見た事ないですか?ええ。
この丸い部分これ6ミリぐらいなんですね。
ここの部分がレンズになってます。
周りに2本ひげみたいなのありますけどこれが人工水晶体を支えるひげみたいなやつでこれで目の中に固定すると。
こういうものなんですよ。
ええ〜!とってもちっちゃいんですけどこれ是非ちょっと…触ってみて下さい。
実際に。
うわ〜!カタツムリのようなかわいらしい形をしてるんですね。
壊しちゃいそう。
大丈夫ですよ曲げて頂いて…。
そんなに丈夫なの?大丈夫です曲げて下さい。
半分に。
あっ本当だ!どんな感じですか?本当に軟らかいですね。
レンズとは思えないね。
ねえ〜。
折れないんですねこうしてもね。
折れない。
折れませんしまた広げれば元にちゃんと戻りますから大丈夫です。
戻ってる戻ってる。
へえ〜。
これが目の中に。
はい。
これを患者さんに応じていろんな厚みがあって度数が違うんですね。
それぞれ患者さんの目に応じて選ぶようになっています。
実際の手術ではこれをねどんなふうに入れるんでしょうか?こちらをご覧下さい。
この黒目の要するに角膜の際ですね。
ここに小さな切開…今は3ミリぐらいの切開入れる事が多いんですけど3ミリ以下の場合も多いんですが小さな切開を作ってそこの中にこの超音波を発振して吸い取る器械これを中に入れるんです。
この濁ってる水晶体の中身だけさっき言ったこの袋は残して中身だけきれいに超音波をかけて吸い取ると。
口で言うと簡単ですけどこういう手術をしてきれいになった水晶体の袋だけ残して中に今お示ししましたこの眼内レンズを入れるんですね。
すごい技術ですね。
でもそれも割と手術時間は短いように思うんですけどどうですか?そうですね。
標準で言うと20〜30分で終わる手術なんですがさっき言いましたように白内障になる原因がたくさんありますのでそれぞれの目の状態というのが違うんですね患者さんによって。
例えばここ今簡単に描いてますけどこの瞳孔といいまして瞳がちっちゃい方とかあんまり開かない方はすごく作業がしにくい訳です。
白内障というと手術してあっという間に帰ってきちゃったりしたから…。
あっという間に帰る方はほとんどほかに合併症がない濁りも少ない方ですね。
僕ら頭に白内障って結構軽い病気なんだと思ってたけど目医者さんてすごいね。
いやまあ…すごいかどうかは別ですけどとにかく細かい手術をしなきゃいけなくてあと器械も非常に優れた技術革新があったので今ほとんどきれいにできるようになったんですね。
ただしいろんな目の状況があるのでみんなと同じようには考えられないという事ですね。
でもどうなんでしょうか。
手術後はすぐ本当に見えるようになると考えていいんですか?それで人によってやっぱり環境が違うのでもともとの目の病気がある方もいますしやっぱり翌日かなり見えるような人もいれば1〜2か月たってやっとうまく見えるようになってくるという人もいるんですね。
これ老眼の方とか乱視の方とか近視の方ってそういう個人差ってあるんですか?レンズを入れると昔と同じように若い時と同じように見えるかどうかってどう思われます?あんなレンズ入れるんだから。
よく見えるようになるんじゃないですか。
そう思うんですが実際にはなかなかそういう訳にいかないですね。
例えば僕らものを見る時どういうふうに見てるかというと普通の水晶体の状態で例えば遠くに合ってる方は普通の状態でピントが合ってる訳ですけど近くのものを見ようとするとこの水晶体が調節がかかって分厚くなる訳ですね。
厚みが変わるんですね。
これは普通の若い時の水晶体です。
これがうまく働かなくなるのが老眼なんですけどじゃあ今度レンズを入れたらどうなるかという事ですね。
今この眼内レンズというのは単焦点レンズが基本でありましてさっきお話ししたようにいろんな度数があってそれぞれの患者さんに応じて入れる事になっています。
この単焦点レンズ目の中に入れるとどうなるかですが例えばそのレンズで遠くが見えるようにこのレンズを入れましたというのが上の図です。
こうなると遠くのものがきちんと網膜にあってよく見えるんですけれどもじゃあこの近くの本はどうなるか。
これピントが遠く用に合わせてあるんですね。
だからこの手元用には合ってないんですこのレンズ。
じゃあどうしたらいいかという事になると目の前にメガネ。
これメガネのレンズですけどそれを入れてやってやっとピントが合うんです。
従って若い時と同じようにはならないんですね。
ああそうか〜。
ええ残念ながらやっぱり遠くに合わせちゃったら手元見る時には老眼鏡と同じように手元用のメガネをかけないとピントが合わないんです。
若い時だったら全部遠近両用うまくやってくれたんだけど…。
だから手術すると何でもよく見えるようになると思ってらっしゃる方多いんですが実際はそうはいかないですね。
おさらいしますと一つには見え方の質がいいという事があります。
これはピントが1か所に合ってるきれいなレンズを入れるという事ですね。
これは健康保険が今適用されています。
ところがさっきお話ししたとおりやっぱりメガネが必要なんですね。
今ヨネスケさんがもともと僕は乱視だとおっしゃってましたけど今単焦点レンズには乱視の度数も組み込まれたものが入ってるんですね。
そうなんです。
だから多少の乱視はトーリックレンズっていうんですけどそのトーリックレンズっていうのを入れる事によって矯正する事が可能ですね。
そうですか。
ただ基本的にはメガネがどこか見る時には要ると思って頂いた方がいいと思います。
なるほどね。
でもどうですか。
せっかく手術をしたのにねまたメガネ何かうっとうしいからなかなか面倒だっていう方もいらっしゃると思うんですね。
やっぱりメガネかけるのが嫌いな人というのはやっぱりいらっしゃいます。
そういう方には今多焦点レンズというのが開発されています。
これのポイントは多焦点といいますが実際は2か所ですね。
2か所にピントが合うようになっていまして遠くと例えば近く遠くと中間とかというふうに度数を選んで入れる事によって遠くと近くとかにピントが合うようになってるんですね。
ただやっぱりちょっとピントが甘い。
それから暗いところで見えにくいというところがあってあと今残念ながら保険適用がなくて費用が高い。
それから見え方になじまない人がいらっしゃる。
どういう事だ?見え方に…。
これは難しいんですよ。
例えば遠くと近くが一応見えるようなこういうレンズでも頭がうまく切り替わらなくて何となくぼやっとしててすっきり見えないなという人が実は入れるといるんです。
基本的にこういう白内障の手術というのは一回レンズ入れたら終わりなんですけどやっぱりあんまり見え方がはっきりしないので入れ直すという方も。
あとほかに目の病気ある方はあんまりお勧めしませんね。
例えば網膜に病気があるとか緑内障だとかそういう方にはあんまりお勧めしないです。
多焦点よりは単焦点の方が一般的…。
そうですね。
単焦点の方が圧倒的に。
それでねもし白内障と診断されてそして単焦点を選びますといった場合にさっき度数があるっておっしゃいましたけども何を基準にして選んだらいいんでしょう?まずどこをはっきり見て生活したいかですね。
例えば遠くをはっきり見たい方ですね。
遠くの景色とかそれから運転をよくする方。
それから家の中でテレビを見たり料理をするような方は中間。
それから近くで本を読んだりパソコンをしたりするような方はそれぞれのそのライフスタイルに応じて眼内レンズの度数を選べばいいと思います。
ヨネスケさんはこの中でどこが見えるのがお好みですか?白内障手術したあとどこに合わせるか。
僕はあんまりねお客さんの事はっきり見えるというの嫌なんで。
そうなんですか?うん。
結局僕ら落語しゃべってたりなんかして知り合いの人とかそれから何かテレビ局の人が来てただとかそうなると逆に僕プレッシャーになってあがるんで。
じゃあヨネスケさんの場合やはり中間とか近くに合うぐらいの眼内レンズ入れる方がいいかもしれませんね。
あとはお客さんの顔がぼ〜っとしてる方が…。
だって受けない時に受けてないのが分かったら嫌ですよ…。
これぼ〜っとしてた方が…。
もしかしたら笑ってんじゃねえかなって。
だからそっちの方がいいかなという感じです。
じゃあその場合は遠くを見る時にはメガネをして頂くという事になりますのでヨネスケさんもイメージがちょっと変わるかもしれません。
僕はね落語とかテレビやなんかにはメガネかけた事ないんです。
ふだんでもお持ちなんですね。
今日は特別に実を言うとお持ち頂いてるんですね。
そうなんです。
これね…。
さっきの乱視が入ってる…。
乱視が入ってるやつで。
これは乱視であともう一つは本を読んだりとか打ち合わせの時は老眼になるんですけどね。
だけどこれは乱視の方でございますね。
それもかっこいいと思うんです…。
ヨネスケさんがもし手術する場合には遠くの方はちょっとぼやかして家の中から手元が見やすいぐらいに。
そういう感じですね。
そっちの方がいいですね。
そういうふうにライフスタイルを変えない方がいいと思うんですね。
なるほどね。
急に変えちゃうと結構煩わしいと逆に思っちゃう人もいますので。
メガネかけてるとヨネスケだと思われへん雰囲気なんでね。
やっぱりこっちの方が…僕は使い分けて…。
それでいいと思います。
それで大丈夫だと思います。
今日は「白内障対策」詳しくね伺ったんですけどもいかがでした?改めてその「ええ〜」と思う事おありだったんじゃないですか?だから結局僕白内障ってそんな簡単な手術じゃないよという事も分かったし白内障の手術したからってんでメガネなしでオッケーという事はないんだよという事。
これよく分かりましたね。
改めてそうですね。
白内障はとても身近な病気で皆さん今長生きされると必ず白髪と同じように必ず濁ってくる病気なんですね。
うまい事言いますね。
白髪とおんなじ。
本当に加齢の現象という事…。
そうです。
手術も技術が進んでかなりきちんとできるようになったんですけれどもやっぱりその人の目に応じて状況が違うのであまり簡単に考えて頂かない方がいいという事ですね。
昨日今日とお話ししてきましたがやはり今の長寿社会では目が見えないとどういう生活になるかというの容易に想像できると思うんですね。
人間の情報というのは7〜8割は目から入ってきますので目を大切になさるというのが必要だと思います。
本当にどうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございます。
2015/12/10(木) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 あなたの目、大丈夫?「白内障対策」[解][字]
白内障はレンズ・水晶体が濁る病気だ。濁りを取り去るには眼内レンズを入れる手術をする。レンズにはタイプがあり、見たい距離を基準に、自分の生活にあったものを選びたい
詳細情報
番組内容
白内障は、ピントを合わせるレンズの役割をしている水晶体が濁る病気だ。早ければ40歳代から始まり、年齢と共に増加し、70歳以上になると80%以上の人に見つかる。目薬による治療には進行を抑える効果しか無く、濁りそのものを取り去るには手術が必要だ。水晶体を取り除き、「眼内レンズ」という人工のレンズを入れる。眼内レンズはいくつかのタイプがあり、見たい距離を基準に、自分の生活にあったレンズを選ぶ事が大切だ。
出演者
【ゲスト】ヨネスケ,【講師】東京大学大学院教授…相原一,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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