「きょうの健康」今週は「骨を強くしよう」。
今日と明日の2日間はタレントの乙葉さんがご一緒です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
骨粗しょう症というと乙葉さんどんなイメージでいらっしゃいます?やはり骨が弱くなってスカスカになってしまうというイメージですね。
まだお若いからそんなに気にはしてらっしゃらない?でもやはりカルシウムをとろうとかちょっと食べ物とかは気を付けてるつもりです。
そうでいらっしゃいますか。
はい。
今週は「骨を強くしよう」という事でお伝えしてるんですが今日は3日目ですので「骨太運動と転倒予防」という事でお伝え致します。
日頃からいかがですか?運動の方はしてらっしゃいます?そうですね。
でも一日トータル30分歩いたぐらいしか…。
どんな運動が役に立つのかなどお話を伺います。
お話は…整形外科特に転倒と骨折の予防やリハビリテーションが専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
こちらをご覧下さい。
実物大の全身の骨の模型がございます。
体はこれだけ多くの骨で形づくられていてまた支えられているんですよ。
こんなに体にはいろんな骨があるんですけど乙葉さん転倒した時どの辺りを一番骨折しやすいと思いますか?私よく転ぶんですが…。
あっそうですか。
よく痛くなる所お尻の骨が痛くなるんです。
なるほど。
痛くなるのと骨が折れるのとはまたちょっと違うんですけども。
実は高齢者の方とか骨がもろくなった方が強く手をついて折れるのはまず最初にこういった手首のとこですね。
この手の所の骨折を一番起こす事が多いんです。
またこういった腕の付け根の部分。
ここの部分も次に多い所ではあります。
しかし実は最も怖いのは太ももの付け根の骨折。
ここの部分の骨折なんですね。
ご覧のようにこの股の付け根の骨というのは一番近い所がこんなふうに細〜くなっているんですよね。
乙葉さん分かりますでしょうか?細くなってますよね。
そうですね。
細くなっています。
ですからこの部分折れやすいんでこの辺りの骨折が非常に起こりやすいのであります。
この場所を骨折致しますとなかなか元の状態に戻りにくいので運動不足になってそして筋力の低下を起こしてしまいます。
そうすると寝たきりになってしまう事も多いんですよ。
ですからそうなりますと命に関わるような病気を起こしやすくなってしまいます。
そのため特に高齢者は日頃から転倒を予防するという対策をして頂く事も大切です。
そして乙葉さんのように若いうちからでも始めて頂きたいのが骨の強さを維持するための運動です。
今日はこの2つについてお伝えしたいと思います。
よく転倒っておっしゃいましたがお尻が痛い…。
どういう形で転ぶんですか?階段を踏み外す事がよくあってお尻とか手首とかを痛めてしまったりします。
じゃあ本当にね予防の意味でも…。
骨を強くして頂く。
そうですよね。
さて今日お話ししたい骨を強くするポイントはこちらです。
ではまずポイント1「運動の骨太効果」です。
乙葉さん水泳とバレーボール選手骨を強くするという効果でいいますとどちらがより効果的だと思いますか?う〜ん…水泳の方が水の中の抵抗を受けながら動いたりするので骨が強くなるような気がします。
なるほど。
答えはバレーボールの選手なんです。
ええ〜。
こちらをご覧下さい。
これは女子大学生の太ももの付け根の骨の密度を中高生の時にクラブ活動を行っていたスポーツ別に分類してそれぞれの平均値を比較したものです。
バレーボールが水泳よりも明らかに骨密度が高いのが分かります。
そして陸上競技よりも陸上競技も水泳より骨密度が高いのが分かりますね。
いずれのスポーツも地面を強く踏み締めていますよね。
この垂直方向の衝撃が骨特にこの背骨こういった背骨であるとかあるいはこの大たいの太ももの骨こういった骨ですね。
垂直方向に体を支えている骨にとっていいんです。
水泳ではかからない力ですよね。
水泳の方がねさっきおっしゃいましたけど水の中での運動ですので膝の負担がかからない。
そういう言われ方もしますよね。
それは水によって浮力がついて膝にあんまり負担をかけずに筋力を鍛える事ができるからいい運動なんですよ。
ただ骨を強くしたいという目的の場合には特に地面をしっかり踏み締めるような運動がという訳なんです。
でも実は激しいスポーツを必ずしもする必要はなくて例えばウォーキングでもいいんですよね。
一歩一歩しっかり地面を踏み締めるという事はとても効果的なんです。
ほかにも階段を上ったりスクワットをするといったような事でもいいんですよ。
では乙葉さんそもそもなぜ垂直方向に骨に衝撃が加わると骨が増えていったり強くなったりすると思いますか?え〜…その重さに耐えられるように強くなるんじゃないでしょうか。
とてもいい考えですけど実は骨にはそういった仕組みがあるんですね。
骨には古い骨を壊す破骨細胞という細胞と新しい骨を作る骨芽細胞という細胞があるという事をお話ししております。
そして骨にはもう一つ骨細胞という細胞があるんです。
これは骨の90%以上も占めていて多いものなんですね。
この骨細胞これですね。
これは細胞外液という液に囲まれています。
この細胞外液は細胞に栄養を運んできたり細胞から出た老廃物を運び出したりする働きをしています。
では運動によってこの細胞がどうなるかですが骨に垂直方向の衝撃が加わりますと細胞外液に流れが起こります。
そうするとその流れを感じた骨細胞はある指令を出します。
それは骨芽細胞に骨を作らせる指令。
こうして骨芽細胞が骨を作り始め骨が強くなるんです。
こういうすごい仕組みがあるんですよ乙葉さん。
びっくりしました。
少しでもやはり骨は強くなってほしいのでいつもより遠くまで歩けるように頑張りたいですね。
運動が骨を強くする仕組みというのがお分かり頂けたと思います。
ただご高齢の方であるとか骨粗しょう症で非常に骨が弱くなってしまってる方の場合には骨折しないためにはとにかく転倒しないという事が第一なんですね。
そこで続いてのポイントは「転倒予防の運動」です。
今日はその運動をいくつかご紹介致します。
注意点は何かあるんですか?運動ですから。
そうですね。
骨粗しょう症の方はまず主治医にどのような運動なら行えるのか行えないのかという事を相談して確認した上で行って下さい。
また運動は痛みとか違和感とかが出ない範囲で行って頂きご家族の方とかがおられる場合には誰かが一緒にいる時にまず行って頂くとより安心だと思います。
そうですね。
では教えて下さい。
初めに行ってもらうのは片足立ちです。
両目を開けたままこのように片足だけで1分間ほど立ちます。
主な効果としてはバランス感覚が鍛えられます。
また関節を痛めずに足全体の筋肉を鍛えられるので膝の痛みがある方などでも行いやすいものです。
ご高齢の方や足腰に不安のある方は…片足を上げて…。
前にこれ足を出した方がいいんですね。
そうですね。
どちらでも構いません。
前の方が安定しますので前の方がやりやすいと思います。
どうですか?結構グラグラしている気がします。
1分間もちそうですか?今25秒。
えっまだ20…。
何か思っていたよりぐらつきが多いですね。
危なかったらテーブルを持って頂いて支えにして頂いたらいいです。
頑張って1分間続けても途中で両足をついても片足立ちを続けて下さい。
これを続けるとなかなか大変そうでしたけどもどういう効果があるんでしょうか?こちらは片足立ちを6か月間高齢者の方々にやってもらった結果です。
複数の老人ホームや介護施設の利用者の統計をとったデータなんですね。
片足立ちを全く行わなかった人たちは平均で0.57回転倒していました。
ところが片足立ちを6か月続けた人たちの場合平均0.38回。
片足立ちを日常的に続ければ転倒を防ぎやすくなるんです。
また骨に縦方向の適度な負荷がかかるため骨太効果もあるんですよ。
思ったよりもかなり圧力というか重力を感じて足がすごく強くなった気がします。
続いてはスクワット。
足腰の筋肉が鍛えられ骨太効果もあります。
ゆっくりと行う方が効果的です。
そしてすねの前の筋トレ。
椅子に座りつま先を上げて5秒保ちます。
歩く時つま先が上がりやすくなりつまずくのを防ぐ事ができます。
最後はタオルたぐり寄せ運動。
足の指でタオルをたぐり寄せます。
バランスを崩した時に足先でふんばる力がつきます。
いきます。
あっフフフフ。
上手。
本当に。
へえ〜すご〜い。
この運動何かコツは萩野さんあるんでしょうか?はい。
このコツは足の指でつかみやすいように薄めのタオルを使ってやって頂くとやりやすいですね。
楽しそうですからお嬢ちゃんとご一緒に何かね。
そうですね。
競争しながらやっても楽しいかもしれないですね。
上手です上手ですとても上手。
続いてポイント3「転倒予防の工夫」です。
先ほど転倒事故が最も多く起こっているのは自宅だと言いましたけれども逆に言えば自分たちの工夫次第で安全な状態に変える事ができるそういう事ですね。
例えば家の中ですと部屋の段差でつまずく事があります。
これまでは全く気にしていない人が多いようですけどもその油断が危険なんです。
はい。
そこでこのような段差があるとしますとこういった簡単に取り付ける事ができるスロープを段差に合わせて下さい。
こうすると段差が無くなってスムーズになりますよね。
では乙葉さんこの改善したスロープを歩いてみて下さい。
はい。
段差を無くしている方がすごくスムーズに歩きやすいですけどちょっとの段差でもつまずきやすいっていう感じが分かりますね。
こうしたスロープというのはホームセンターなどで購入できます。
高さの異なるものを数種類そろえてありますので自宅の段差に合ったものを選んで頂ければと思います。
また足が上がらないでスリッパが脱げる事があるような人はつまずく原因となるので危険です。
そういった人はスリッパよりもこうした脱げにくい室内履きを使用して下さい。
かかとがあるんですね。
かかとがやはりついてるだけで脱げづらくていいですよね。
ここは滑りやすいかなとかつまずきやすいかなと感じたらそのままにしないでどんな工夫ができるかを考えてみて頂けたらと思います。
今日は運動が骨を強くするという事そして予防するグッズについてもお話を伺ったんですがいかがでいらっしゃいましたか?家でもやはり…運動したりとか予防したりとかできる事がたくさんあるんだなという事を勉強しました。
改めて今日の転倒予防のポイントについてまたお願いできますか?はい。
今日ご紹介しました転倒予防の運動は自分のペースで安全に行いやすいため続けやすく効果をあげやすい運動です。
ただし骨粗しょう症の程度によってはやり過ぎると骨折をしてしまうような場合もありますので必ず主治医の先生に運動の量やペースについて確認して医師にオッケーをもらった範囲で積極的に運動し骨を守って頂きたいと思います。
どうも今日はありがとうございました。
2015/12/09(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 骨を強くしよう「骨太運動と転倒予防」[解][字]
運動には骨を強くする効果があるため、若いうちから運動を続けることで骨粗しょう症の予防ができる。家庭で安全に行える運動も伝える。家の中の段差解消などの工夫も重要。
詳細情報
番組内容
骨粗しょう症の人は転倒で骨折しやすく、場合によっては寝たきりになってしまう。そのため、特に高齢者は、日頃から下半身の運動を行って転倒予防に取り組むことが大切。また、転倒事故は自宅での発生が最も多いため、段差解消などの工夫も重要。運動には、骨を強くする効果があるため、若いうちから運動を続けることで骨粗しょう症の予防ができる。家庭で安全に行える運動も伝える。
出演者
【ゲスト】乙葉,【講師】鳥取大学教授…萩野浩,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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