「きょうの健康」今週は「あなたの目大丈夫?」という事で今日と明日の2日間はヨネスケさんにお越し頂きました。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
それではラインナップからちょっとご紹介したいんですけれども今日は3日目ですね「緑内障対策」という事でお伝え致します。
緑内障というとどういう…。
目医者さんやなんか行きますと「緑内障大丈夫か」とかねそういうの書いてあるから怖い病気だなと僕は思ってます。
さあどんな病気なのかお話伺います。
お話は…ご専門は眼科で長年緑内障の治療や研究を続けてらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今怖い病気とおっしゃったんですが本当にどんな病気なんでしょうか?緑内障は今40歳以上の20人に1人緑内障といわれています。
そんなに?40歳以上…。
末期になるまで自覚症状が全然起きないんですよ。
これだから怖いんだ。
特に皆さん病院に行く事が遅れてしまうのでそれで失明の原因の一番になってるんですね。
遅くなったら駄目なんですか?そうです元に戻せない病気…。
だからいかに早く見つけて早く治療するかというのが大事な病気になっています。
なるほどね〜。
では詳しいお話よろしくお願い致します。
じゃあまず緑内障になる目の仕組みからお話ししたいと思います。
これ目の横断面ですけれども目の前の方角膜黒目のとこですね。
黒目がありましてその後ろに水晶体があります。
そしてこのオレンジ色の部分ですねこれ目の大部分を占めますけど硝子体という透明なゲル状の組織があってこれ目の形を保つのに大事なんですけれどもその周りのこの黄色い部分ですねこれが光を受ける網膜の神経でそこにこの角膜水晶体を通って光が焦点を結んでそれで像が映るんですけどその情報がこの視神経という所を通って脳の方に伝えられる訳ですね。
緑内障は視神経が徐々にやられる病気なんですね。
神経の方がやられるという事なんですか。
逆に目や何かの角膜とかそういうとこじゃないんだ。
この神経がやられる病気が緑内障なんです。
原因としては何がどうなってそうなってしまうんですか?緑内障の原因は眼圧の上昇なんですね。
今ちょっと目触って頂くと分かると思うんですけれども目にはちょっと張りがありますよね少し。
あっはいはい…。
コリコリしますね。
決してフニャフニャじゃないと思います。
その実は圧力が非常に大事で眼圧によって目の形が保たれてものが見えるように保たれてるんですね。
じゃあその眼圧の仕組みをご説明したいと思います。
目の中には房水といわれる水を作る仕組みがありましてその水ができて流れる事によってそのバランスで眼圧というのが保たれてるんですね。
これは目の前の方のイメージなんですけれどもこの水晶体を支えてる組織があってそこから房水というのが産生されるんです。
この黄色い矢印のような流れがあってこの黒目の角膜ですね。
それとここ実は虹彩という瞳孔の一部分があるんですけどその隅っこから流れていく所この隅角と読むんですけどこの隅角という所から流れる事によって眼圧というのがうまく保たれてるんです。
緑内障はこの隅角の部分ここに目づまりを起こしてると。
水がここで妨げられる事によって圧が上がるというのが問題です。
眼圧が上昇するとこの目の中ではどんな事が起こってると…。
ここ視神経乳頭というんですけれどもこの視神経乳頭の部分が眼圧が上がると押し込まれてしまうんですね。
こんな感じです。
分かりました?実際はこの壁というのは非常に厚いんですけれどもここだけ孔が開いててこの孔を通ってこの網膜の神経が脳の方に出ていくんですね。
だからこの孔の部分だけどうしても圧力に弱いので眼圧が上がってくるとこの神経が傷んできてそれで光の情報が伝えられなくなっちゃうんですね。
これは眼底写真といいまして血管が集まってるこの部分を視神経乳頭というふうにいいます。
ちょっとこれの拡大したイメージを。
左側が正常な視神経乳頭の写真です。
これどうなってるかといいますと真ん中の所に少し白っぽい所これちょっとくぼんでるんですけどこの周りに血管がこのように筋状に見えます。
その神経は何かというとこの丸い所の縁の所にオレンジ色の部分がありますね。
ここの部分が神経の線維の集合なんですね。
この神経線維が徐々にやられるのが緑内障なんですけれども実際に右の方に…。
全然違う…。
何が違うかといいますとこれ分かりますか?これ実際この真ん中のくぼんでる部分が拡大して…。
大きくなってますよね。
そうですね。
大きくなってくぼんでしまって中がえぐれたような感じになってるのでこの血管も真ん中からつながって出ていかないで横にゆがめられて途切れたようにピュッて出てきてます。
眼圧の正常値はこちら10から20。
しかし日本人の場合緑内障でも7割の人が正常範囲内なので注意が必要です。
これは一体どういう事かというと…。
実は日本人の方はいくら正常値でもその人にとっては高いそういう事が考えられていまして。
要するに視神経乳頭さっき写真で示しましたけどあそこの部分が圧力に弱いんじゃないか。
じゃあさてこのように神経が減ってくるとヨネスケさんどのように見えるかってご想像できますか?範囲が狭まるとか?そういう事ですね。
視野の狭くなり方というのはいろんなパターンがあるんですがこれ典型的な緑内障の視野の欠け方です。
一番左これ初期なんですけれども例えばこういうヒマワリのイメージで初期はこのように雲がかかったように少し欠けてる所が…。
その辺がちょっと邪魔になってくる訳ですね。
何かゴミがついてるような少しかすむような感じというのが出てきますね。
それが中期になりますと徐々にそのもやが広がってくる感じです。
更に末期になってくると真ん中の視野というのは最後まで残るんですけれども周りが霧の中にいるような感じという見え方になってくるので。
これ中期辺りになったら分かるでしょ。
意外と気が付かないんですね。
典型的な緑内障の場合は鼻側の視野が欠けるんですね。
例えばこれ右のイメージだと鼻側ですね。
左のイメージでも鼻側の視野が欠ける。
ただこれ人間両目で見てますので合わせて見てしまうと気が付かないんですね。
お互いに補っちゃうのでね。
これが緑内障のその視野欠損に気が付かない一番の原因。
逆に気が付くにはしばらくこうやってまたこうやって見たら…。
そのとおりですね。
隠して見ればいいんですけどただ隠しても実際には頭の中でこの欠けてる部分を補っちゃったりするので。
脳が。
ええ。
意外と分からない事が多いですね。
またよくあるんですけど利き目というのがありまして。
利き手と同じように利き目というのがあるんですが。
利き目で見てる場合にはその欠損に気が付きやすいんですが利き目じゃない方の欠損にはかなり悪くなっても気が付いてない人がかなりいらっしゃるんです。
どうしたら早く気付く事が…。
何か方法があるんでしょうか?検診を早く受けに行って頂くという事しかない。
40歳では1回検診を受けて頂いてその時の診断によるんですけど数年に1回は受けて頂くのが一番いいと思います。
緑内障の検査項目がこちら。
まずは視力そして眼圧を調べます。
しかしこれらの検査だけでは緑内障かどうか診断する事はできません。
そのため視神経乳頭の状態を調べる眼底検査や房水の出口隅角の形を調べる隅角検査も行われます。
また最終的にはどれくらい神経が傷んでいるかを調べる視野の検査も重要です。
検診とか人間ドック辺りではこの視力眼圧眼底というのはこれはほとんどの所でやられてますけれどもこの隅角検査というのはこれは医者がやらないとできないのでこれはやられてない事が多いですね。
普通の町のお医者さんでも大丈夫?全然大丈夫です。
あと視野検査はちょっと時間とそれから場所を取るので必ずしも検診でやられてないのが現状ですね。
検査で緑内障というのが分かりました。
そうした場合治療というのはどういうものがあるんですか?今緑内障の治療はもう眼圧下降しかないんですね。
眼圧下降の方法はこの目薬で眼圧を下げる。
えっできるの?できます。
あとはレーザーで治療するとか手術で眼圧を下げる。
こういう方法があるんですが基本的に下のこのレーザー治療それから手術に関しては先ほどちょっとお話ししましたあの隅角ですね隅角がどのようにつまってるかによって違います。
完全につまってる場合があるんですね。
その場合は手術で治す事が多いですね。
目薬だからって別に軽い訳でも何でもないですね。
そういう事です。
もちろんそうです。
目薬だからよかったなんて…そういう事はないんですね。
そうじゃないんですよ。
その目薬なんですけどもどんな種類があるんでしょうか?房水で眼圧を調節するのでまず流れやすくする薬というのが一つあります。
それがこのプロスタグランジン関連薬。
これが今一番よく使われてる薬ですね。
水を流れやすくして眼圧を下げる。
もう一つは水を作らないようにするという方法があってそれがβ遮断薬と炭酸脱水酵素阻害薬。
流れやすくしてなおかつ水を作らないと。
そのダブルで治療する。
だからこれ3つ組み合わせる事もあるんです。
副作用といいましょうか何かちょっと…心配になってくるんですけどどうですか?このプロスタグランジンの副作用は色素沈着とか目の周りの皮膚が黒ずんできたりあとそれからちょっと脂肪が減るんで目がへっこんだような感じになっちゃう。
いいじゃない…。
それは人によりますけどね。
そういう副作用があります。
あとこのβ遮断薬に関しては実は目薬って皆さん簡単に考えると思うんですけど体の副作用も出るんですね。
例えば息苦しいとかぜんそくを誘発する事があるのがこういうお薬なんです。
目薬だからといって簡単に考えないでほしいなと思います。
目薬をねこうさしていくと元のように見えるようになるんですか?残念ながら眼圧を下げるこういう治療をしてもやられてしまった神経というのは元に戻らないんですね。
元に戻らない?はい。
緑内障の進行をゆっくりにするという目的で目薬を使うという事しかないです。
それが何年もつきあう事になるんですね従って。
やめちゃえばまた元に戻っちゃいますから。
いかに長く正しく目薬をさしてもらって眼圧を下げ続けるというのが大事かという事になるんです。
ではここで緑内障の治療に重要な目薬を正しくさす方法をご紹介しましょう。
目尻から入れる。
なるほど。
こう…こうやって。
流れます。
今この目頭のとこから目薬さされてましたけどちょっと触ってませんでした?触ってますね。
触ってますよね。
実際にまぶたとそれからまつげに触りますと逆にこの中に周りのばい菌を吸い込んじゃう事があるんです。
目薬の中にね。
はい。
はあ〜なるほど。
しばらくしたらこの目薬が傷んじゃう事があって。
じゃあ俺今までずっと傷んでたんだ。
だからそのさし方は本当はあまりよくない。
じゃあ目こう上げてこうやるというのいいんですか?そうですね。
場所が分かれば。
指で開くんですね。
どこに入れても大丈夫です。
今1滴入れましたよ。
撮りました?ええ。
うまい事入りました。
あとまだ間違いがね実はあるんです。
今まばたきされましたよね?まばたきしちゃ駄目なんです。
駄目なんですか?そうなんです。
こうやってなきゃいけない…?そうじゃないんですけどまばたきした方が目の中に行き渡っていい感じするじゃないですか。
それ感じますよね。
実はまばたきしちゃうと鼻の方に目頭からどんどん流れちゃうんですね。
目薬が。
するとこの鼻から吸収されて副作用がそっちに出ちゃったりするんです。
よくないんだ?よくないんです。
だから本当は目頭を目を閉じて軽く押すんです。
なるほど。
どこここ押す…。
目頭を押すんです。
これ正しいやり方…。
正しいです。
完璧です。
そうです。
これでまあできれば1分ぐらいじっとしとくと一番いい方法なんですね。
これが正しいやり方なんだ。
あったんですね〜。
これなかなか教えてもらえない…。
初めてですね。
目薬の正しい使い方。
だから副作用を少なく効果をうまく出すにはきちんとささないと治療効果が上がらないんです。
そうやってきちんとさしてる人の方がささなかった人と比べるとやっぱり緑内障の進行がゆっくりになるといわれてまして失明のリスクが減るんですね。
だからやっぱり目薬をきちんとさして一生頑張るというのがとても大事です。
今日は「緑内障対策」についてお話を伺ったんですがいかがでいらっしゃいましたか?いや分かりました〜。
怖いけどそうやってちゃんと治療すりゃあ大丈夫だよ。
おっしゃるとおり。
病気と一生つきあっていくしかないですよ。
僕らの年代になったら。
そうなんです。
早く見つけて治療すれば失明しないので緑内障といわれてもびっくりしないで一生うまくつきあえるようにやってく事が大事なんですね。
特にその目薬をうまくきちんとさすと。
それとお医者さんとよくコミュニケーションとって自分の病気がどういう状況かというのをきちんと教えてもらいながらやるというのが大事だと思います。
今日は「緑内障対策」についてお伝えしました。
どうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2015/12/09(水) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 あなたの目、大丈夫?「緑内障対策」[解][字]
徐々に視野が欠けていく緑内障は成人の失明原因の第1位だ。早期発見し、進行を遅らせるためには眼圧・眼底検査などの検査が大切。治療の基本、目薬の正しいさし方も紹介。
詳細情報
番組内容
緑内障は視神経が傷害され、徐々に視野が欠けていく病気だ。40歳以上では20人に1人に起こり、成人の失明原因の第1位だ。欠けた視野は元に戻すことができないため、早期に発見し、進行を遅らせるためには、まず検査を受けることが大切。眼圧だけではわからない場合もあり、眼底検査などが診断に欠かせない。治療の基本は目薬。きちんとさした場合、ささない場合に比べ病気の進行が緩やかになる。目薬の正しいさし方も紹介。
出演者
【ゲスト】ヨネスケ,【講師】東京大学大学院教授…相原一,【キャスター】桜井洋子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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