時は流れて秋となりあさのおなかはすっかり大きくなりました
(あさ)痛っ。
(うめ)あ〜大丈夫だすか?
五代友厚は米商会所を開設。
大阪経済復興に貢献していきます
(友厚)乾杯!
(一同)乾杯!
そしてあさのおなかよりも更に様子が変わっていたのは…
(新次郎)あ〜五代様おめでとうございます。
(榮三郎)おめでとうございます。
おおきに。
それにしてもようお似合いですなぁ。
いやいや…ハハハ。
やっと生えそろいましたわ。
せやけどまだスースーしてかないまへんわ。
そんな中…
(雁助)ごゆっくり行っといでやす。
(弥七)お気を付けて。
(正吉)ほなちょっと行ってきます。
隠居した正吉だけはまだ一人かたくなにちょんまげを守っていたのでした
今日はお二人でお芝居見に行くて。
ほんまよろしおますなぁ。
うん。
よう考えたらお父ちゃん今まで忙しいてめったに2人で遊びに行く事もなかったさかい。
そうだすなぁ。
そやけど何べん見てもそのさっぱりぽんの頭ようお似合いだすわ。
またそれ言うんかいな。
せやけど確かにこらおなごはんに評判よろしねんで。
おなごはん…?へぇ。
へ?待っとくなはれ旦那様!今日はどこ行きはるおつもりだすのや?ちょちょ…危ない危ない危ない。
危ない危ない!へぇおおきに。
え?どこ行く…え?こっちの夫婦はまだまだだすなぁ。
ほんまだすな。
しかし…こちらの仲のいい夫婦も数日後に意外な事でケンカになってしまうのです
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」
(よの)お産婆さんだす。
いやお医者さんがよろし。
新次郎かて榮三郎かてお産婆さんだしたんやで。
お産婆さんが一番ええのに決まってます!あんたの言うてるのは徳川様の時代の話やないかいな。
今は明治だっせ!そらお医者さんの時代だす。
何もめてますのや?へぇそれが…。
あささんはどない思わはります?へ?あ…。
うちはどないでも。
どないでもて…ご自分の事だすがなぁ。
この子はなぁあのつわりだけでもあんなにひどかったんや。
これは産むとなったらどんな難儀な事になるか分からしまへんやろ!?もし何かあったらどないします?そないなあささんやからこそ腕利きのお産婆さんがええ言うてますのや。
大体お医者さんいうたら男はんだっしゃろ?男はんにお産ができますかいな!いい…医者は西洋医学の資格を持ったはりますのやで!お産は病気と違います!びょびょ病気では…。
まあ!まあまあまあ。
わてらもわてらでもうちょっと考えますよってこないな事でケンカせんといとくれやす!
(2人)フンッ!
(雁助)珍しなぁ。
あのご夫婦があないに言い合いはるやなんて…。
それだけ楽しみにしてはるいう事だすやろなぁ。
うちも近頃おあさ様のおなか見てたら何か自分の事みたいに胸がソワソワしてきて。
へえ〜そうだすか。
男いうのはお産いうもんを自分の事のようにひしひしと感じる事がでけしまへんねん。
わてなんか娘が生まれる時なんかどないしたらええか分からんよって嫁はんほったらかしだしたわ。
娘さんいてましたんか?はぁ…。
もう何年も会うてまへんけどなぁ。
こないなわてに嫁はん愛想尽かして実家のある伊予の方へ帰ってしもたさかい…。
そ…そないな顔せんとってぇな。
昔々の話だすがな。
もういっこも気にしてません。
いやそうやのうて…。
長い事勤めてて番頭はんが店以外の事でご自身の話してくれはったん初めてやったさかい。
堪忍やで。
しょうもない話してしもた。
いいやそういう意味やのうて…。
いやいや…しょうもない話だす。
わてはこの加野屋に生涯尽くすて決めてますのや。
わての事なんかどないでもええ事だす。
それやったらうちかて同じだす。
今井に来てお嬢様方に生涯尽くすて決めてここに流れ着いた身ぃだすよって。
番頭さんうち…。
何してますのや?ふゆ。
(ふゆ)あっ…!おあさ様。
ふゆ!すんまへん…。
ちょっと待ちなはれ。
すんまへん…すんまへん!うちお邪魔してしもて。
へ?邪魔て…何の邪魔?そうだす。
邪魔って何やの?今うちは番頭さんにあんたの相談してたんやで。
へ?へ?
(うめ)ねえ?そうや…そのとおりだす。
相談て…何の?ほら…おあさ様!あ!あの事だすな。
うん…。
へぇあの事て?そら決まってますがな!亀助さんの事だす。
そう!ふゆ。
あんた亀助さんからあないようけお手紙もろてちゃんとお返事書いてますのか?それがうち字ぃ下手やよって…。
そないな事あれへん。
そやけどどないしても気になるねやったらうちが…。
いやうちはあかん。
雁助さんに手伝うてもろたらよろし。
いや大番頭さんにそないな事…。
いいやなんぼでも手伝いまっせ。
九州で一人働いてる亀助もあんたから文もろたらどんなに励みになるか。
そうだすか?そしたら…。
そうと決まれば「善は急げ」だす。
書きまひょ!雁助さんよろしゅうお頼みしましたで。
よろしおます。
任せとくんなはれ。
よろしくどうぞ。
はぁ〜おあさ様が鈍うてよかった。
は?えっ?喉が渇いてしもたんだす。
お水頼みます。
へぇ。
フゥ〜。
はぁ。
また炭坑の収支の計算だすか?へぇ炭坑からまた便りが来ましたさかい。
順調みたいで何よりだす。
アイタタタッ。
おっ。
またグワングワンてよう蹴ってはる。
どれ?ほんまや!元気だすなぁ。
早出てきたいのやろか。
いいや。
ひょっとしたらさっきのお産婆さんかお医者さんかいう話に意見があるのかも分かりまへんなぁ。
あさはほんまはどないしたいのや?うちはお産婆さんにお願いするのが当然やて思てました。
自分かてそないして生まれてきましたし。
うん。
それやったらそないしたらよろし。
そやけど…。
う〜ん。
ん?そやけど…ややこいうのはほんまにそろばんどおりにいかへん。
そろばんどおりに?自分の体の中の事やのに腰痛なったり足つったり蹴飛ばされてアイタタタ〜ッてなったり思いも寄らへん事ばっかりだす。
はぁ。
それで気ぃ付きましたんや。
旦那様の言わはるとおりここの中はもううちだけの体やあれへん。
それどころかうちの体でさえのうてもうこの子の人生が始まってるのやて。
そうだすか。
あんたもう立派に生きてますのやなぁ!せやさかい今のうちにできる事はこの子をいかに安全に出したげるかいう事だけなんだす。
つまり安全第一だす。
安全第一な。
あさと新次郎は安全第一という考えのもとに正吉の勧める最新の知識を持っているという医者とよのの勧める経験豊富なお産婆さんの両方にお産をお願いする事にしたのでした
(七宮)生まれるまであと10日前後いうとこや思いますけど。
へぇうちもそない思います。
ぼちぼちお家の方でもお支度なさっとっておくなはれ。
へぇ。
ありがとうございました。
ハハハ。
うん…うん。
あと何日?10日。
あっ10日10日!あの…ちょっとうち失礼さしてもろてよろしおますか?え?あ…。
(とめ)どうぞどうぞ。
じっとしてばっかりやったらややこが下りてきまへんさかい。
よう体動かして心身ともに備える事だす。
へぇ。
おおきに。
よいしょ。
すんまへん。
あと10日や。
10日。
ハハハ。
いやいやもうこの度はお産婆さんお医者様にご無理を申し上げまして申し訳ございませんでした。
ほんまにそやけど私これで安心致しましたんや。
お母様。
あああささん!すんまへんだした。
お金もかかるいうのにわがまま言わしてもろて。
何べんも謝らんでよろし。
そやけどなぁ旦那さん以外の殿方に体を見せるやなんてうちは何や…。
・
(かの)キャ〜大旦那様が!大旦那様が!お前様!
(かの)立ち上がろうとして急にお倒れになって。
発作です。
ご主人ご主人!失礼しますよ。
すぐ旦那様に…。
おいあさ!ウゥ…あいつらに言わんといてくれ。
誰にもし…心配かけとうないのや。
特にあの榮三郎な。
お前様!いやいやあいつはええ子やねんけどな気ぃの小さいところあるさかい…。
あさちゃん!頼みや。
お父様。
(正吉)ア…アホみたいやけどな私は…ドンとしたお父ちゃんのままでいたいんや。
あいつらにこんな情けないとこ見せとうない…。
承知致しました。
(荒い息遣い)時々あないなりますのや。
発作もなぁだんだん強なってきて…。
お医者さんがたまたまでもいてくれはったからほんまよかった。
こらあささんのおかげだす。
いいやうちは何も…。
あささん。
医者でもお産婆さんでも何でもええさかい頼むわ。
無事に産んで孫の顔あの人には見せてあげて。
頼むわ!なぁお願いします。
お願いします。
(すすり泣き)2015/12/09(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(63)「九転び十起き」[解][字][デ][再]
「さっぱりぽん」とあさ(波瑠)が言ったのは、髷(まげ)を切った新次郎(玉木宏)と榮三郎(桐山照史)であった。出産の予定日が近づく中、あさはある思いを話す…。
詳細情報
番組内容
「さっぱりぽん」とあさ(波瑠)が言う様に、新次郎(玉木宏)と榮三郎(桐山照史)が髷(まげ)を切って、さっぱりした髪型になっていた。正吉(近藤正臣)とよの(風吹ジュン)は、妊娠しているあさの体を心配して、ついに言い争いに…。大番頭の雁助(山内圭哉)とうめ(友近)は、ふたりで話をしていくうちに…。出産の予定の日が近づき、あさはある思いを新次郎に告げる…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,山内圭哉,友近,桐山照史,清原果耶,楠見薫,竹下健人,南条好輝,旭堂南陵,笑福亭銀瓶,風吹ジュン,近藤正臣,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:21511(0x5407)