NHK高校講座 生物基礎「免疫と健康」(2) 2015.12.08


(小づちをたたく音)これにて閉廷〜!楽しくて役に立つ「生物基礎」の世界へようこそ。
ヒトの体は免疫のはたらきによって守られている。
ところがその免疫のはたらきによって病気になる事もある。
今日のテーマは…こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
アシスタントの東京アヴァンギャルド丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
結構ワイルドに見えるけど夜電気を消して寝られないらしいですよ。
あらかわいい。
よろしくね〜。
よろしくね〜。
さて今日のテーマは…前回はあらかじめ備わっている免疫だけでは対処できない強く危険な感染症がありそのような感染症からどのように体を守ったらいいのかその予防と治療方法を学びましたよね。
はい…そのとおり。
では今日は免疫のはたらきによって起こる病気について見ていこうかのう。
えっ!免疫のはたらきで病気になるんですか?その免疫で病気になる…。
そんな裏切りみたいな話?一体どういう事?は〜っくしゅん!例えば…花粉症ですか。
それなら僕も。
あっあ〜…。
あ〜私も。
へっくしょん!あらっマルタさんはどんな症状?まず鼻水が止まらないでしょ。
で顔がかゆくなって。
だから花粉の飛ぶ季節ははなかんでそして顔をかいて。
だから顔じゅう真っ赤になっちゃう。
ああそれで顔がそんなに…。
ちょっと!どういう事よそれ。
なるほどね。
僕の場合は花粉だけじゃなくてハウスダストでも同じような事が起こっちゃうんですよ。
床を触った手で目をかいたりすると真っ赤に腫れちゃって。
あ〜まあ本人がハウスダストみたいなものなのにね。
お〜いゴミ扱いやめて下さいよ!そっちこそ人の顔の事言っといて何よ!つまらん事でけんかするんじゃな〜い!とにかく…では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「免疫内なる闘い」ってこれどういう事ですか?はい。
本来は体を守ってくれる免疫ですが免疫が過剰にはたらいてしまったり免疫が守らなくてはならないはずの自分の体を攻撃してしまったりまた免疫システムそのものがはたらかないというような事も起こるんです。
すると…今日はそれらを学んでいきます。
さてお二人さんアレルギーというとどんなものを思い浮かべるかな?アレルギーですか。
よく聞く言葉なんですけどどんなものかって聞かれるとねぇ。
う〜ん…。
亜矢子さんヒントお願いします。
はい。
人によっても違いますがアレルギーではくしゃみや鼻水それにじんましんなど体に不都合なさまざまな症状が起こります。
ああなるほど。
それならやっぱり花粉症ですよ。
くしゃみや鼻水が止まりません。
これアレルギーなんですよね?私の場合は花粉も駄目だけど桃とかマンゴーも駄目なんだよね。
食べると口の中がいがいがしたり口の周りが赤く腫れちゃったりするの。
これもアレルギーですかね?どちらも立派なアレルギーじゃな。
では…分かるかな?それは花粉症の場合は杉などの花粉が体の中に入ってう〜ん…何かするんですよ。
果物の場合は食べ物の中に入っている何かがう〜ん…何かしたんですか?そこなんじゃ。
そういった…ん?ん?一体どういう事ですか?どういう事ですか?では実際にアレルギーが免疫反応とどのように関わっているのか杉の花粉症を例に見てみましょう。
毎年春になると大量に飛び交う杉の花粉。
この花粉が私たちの目や鼻を襲う。
花粉症を起こした人の鼻の中を見ると赤く腫れ上がって炎症を起こしている。
外からのさまざまな異物がヒトの体と触れ合う場所だ。
そこには異物の侵入に備える特別な細胞肥満細胞がある。
細胞の中にたくさんの物質をため込んでいて膨れているように見えるのでこの名前が付けられた。
丸で囲んだのが肥満細胞。
動き回っているのが白血球だ。
異物が入ってくると肥満細胞がため込んでいた物質が放出されそれによって…ところがこのシステムが過剰にはたらくと…このようにして体に害を与えるのがアレルギーなのだ。
初めて聞く言葉ですけど…一体…簡単にいえば…いやいやちっとも簡単じゃありませんよ。
それぞれの単語の意味を追っかけただけじゃないですか。
うっうん!まあそうとも言えるかな?亜矢子さん一体どういう事なんですか?では私が説明致しましょう。
「自己」というのは自分の事ですよね。
つまり自己免疫疾患というのは本来体の外から侵入してきた病原体などを攻撃して取り除く免疫システムが間違って自分の体を攻撃してしまう事によって引き起こされる病気の事なんです。
えっ!?自分を攻撃しちゃうなんてそりゃ大変ですよ。
どうしてそんな事が起こるんですか?ではこちらで詳しく説明しましょう。
実は免疫細胞の中には自己に反応するT細胞つまり自己に反応して攻撃するT細胞というものがあるんです。
(丸)自分を攻撃しちゃう細胞がもともと体の中にあるんですか?はいそうなんです。
でも安心して下さい。
そのT細胞のはたらきをコントロールして抑え込んでいる制御性T細胞というものもあるんです。
でここからなんですがこの樹状細胞が取り込んだものがもし自己の物質つまり自分の体を構成する物質であればこの制御性T細胞が自己に反応するT細胞の反応を抑え込んでいます。
(丸マルタ)ふ〜ん。
(丸)普通は自己を攻撃する事はないって事ですね?はいそうなんです。
ですがもしこの制御性T細胞の機能が低下していたら自己に反応するT細胞のはたらきを抑える事ができなくなってしまって自己に反応するT細胞は自己を攻撃し始めます。
そのため自分を攻撃する免疫のはたらきが生じて重い炎症や障害が生じる事になるんです。
(マルタ)へぇ〜。
それはどんな病気なんですか?例えば…このような免疫システムが自己を攻撃する事によって起こる病気を…ふ〜ん自己免疫疾患…。
よ〜く分かりましたよ〜。
まっそういう事じゃよ。
さてお二人さん次は免疫システムがはたらかなくなる不都合について考えてみようかのう。
免疫システムの大切さはこれまでにもいろいろ学んできました。
その免疫システムがはたらかなくなるとなるとこれは大変な事になりますよね。
実はじゃその大切な…えっ!?大変だ大変だ!それってどんなウイルスですか?例えば…あああのエイズですか。
丸君エイズってどういう病気かちゃんと分かってる?いやいやそれぐらい知っとかないと。
おっ。
エイズっていうのはつまりあの…恐ろしい病気ですよね。
はは〜ん。
お主ほとんど知らないな。
いやいやだからあの…恐ろしい病気が…。
ミドリ君助けて〜。
いやいやいやお願いしますよ〜。
まずさ…
(マルタ)「それはHIVヒト免疫不全ウイルスだよ」。
HIVヒト免疫不全ウイルス。
(マルタ)「そう。
これがエイズの原因となるウイルスの正式な名称なんだ」。
(マルタ)「その結果」…
(マルタ)「だからエイズは後天性免疫不全症候群ともいうんだよ」。
なるほど後天性免疫不全症候群か。
エイズは免疫のシステムをはたらかないようにする恐ろしい病気だっていう事が分かるね。
ミドリ君ありがとう!
(マルタ)「はいはい。
ちゃんと」…はい。
亜矢子さんエイズはすごい勢いで世界に広まりつつあるんですよね。
はいそうなんです。
人類の歴史の中でこれほど致死率が高くしかもこれほどの勢いで全地球的に広まっている感染症はまれなんです。
感染者はどのくらいいるんですか?国連合同エイズ計画という機関の2012年度の報告によると……と報告されています。
すごい数ですね。
それは…また…じゃあ…どうしてそんな事になるのか。
それはこちらをご覧下さい。
これはヒトの免疫システムの要である…ヘルパーT細胞の中でHIVは次々と増えていく。
すると…次々と…先生こんにちは。
(板山)こんにちは八田さん。
ようこそ。
はいどうぞ。
はいありがとうございます。
今日は「免疫と健康」の2回目という事で免疫のはたらきによって病気になる事がある…という事を学びましたよね。
はい。
それに今日は…そうですね…先ほど学んだように……するしかありませんね。
残念ながら今のところ…その理由の一つには先ほどの説明にあったように…しかもとても…捕まえるのがとても難しいというのはどういう事ですか?…なので捕まりにくいんですね。
HIVはとてもやっかいなウイルスなんですね。
そうですね。
でも私たちはこれまでもさまざまな感染症と闘ってそれらを克服してきました。
厳しい闘いではありますがこれからの研究によってHIVもきっと克服できると期待してます。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「複雑な仕組みがゆえに」。
免疫は私たちを健康な状態に保つためになくてはならないシステムです。
しかし時には免疫のはたらきによって病気になる事もあります。
これはある意味免疫の仕組みが緻密で複雑なために起こる事です。
改めて免疫という仕組みに驚かされますね。
うん。
自分の身を守るためにはセキュリティーの仕組みも複雑な方がいいのかなぁ。
うん確かに。
僕も泥棒に入られないために自分のうちの鍵を開ける鍵の鍵の鍵の鍵の鍵の鍵の鍵があって。
ねえねえそれってさ泥棒だけじゃなくて自分も入れなくなりそうじゃない?あっ…。
2015/12/08(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「免疫と健康」(2)[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
本来、体を守ってくれるはずの免疫のしくみがうまくはたらかないで、免疫のはたらきによって、病気になってしまうことがあります。免疫の反応が過剰にはたらくことによっておこるアレルギーや自分のからだを攻撃してしまう自己免疫疾患、さらにはウイルスの感染によって免疫がはたらかなくなるエイズなどについて学びましょう。 【出演】八田亜矢子・東京アヴァンギャルド、【講師】板山裕
出演者
【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【解説】都立国立高等学校教諭…板山裕,【語り】増谷康紀

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

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