連続テレビ小説 あさが来た(62)「九転び十起き」 2015.12.08


(新次郎)あの納屋頭何ていいますのや?
(亀助)サトシいいますねん。
(宮部)サトシさ〜んどげんしたと?
(サトシ)すいまっせん。
俺あげなのんきな金持ち見ると虫ずが走りますと。
だけんが…それももう終わりたい。
え?終わりっち何ね?
(小声で)俺はあやつらに…この炭坑の経営がでけんごとしてやるったい。
え?何ち?何でんなか!どいてくれんね。
そげなとこにおったら石降ってきて潰されてしまうばい。
(さえずり)
そのころあさはサトシのそんな思いも知らずただひたすら吐き気に苦しみ続けていたのでした
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」
その翌日
気ぃ付けなはれ。
(あさ)へぇ。
すんまへん。
しばらくは来られへんか思いますけどよろしゅうに。
(治郎作)ああ気にせんでんよか。
こっちんこつは俺に任せといちくれ。
(カズ)どうかご無事に生まれますように。
あさ姉ちゃん頑張り〜よ!親分さんカズさんみんなもおおきに。
(福太郎)姉御!気張ってな。
(伊作)そうちゃ気張らなな!
(紀作)ええ子産んでくれ。
おおきに。
皆さんおおきに!
(うめ)何やこっちの働き手のみんなももうすっかり家の者みたいだすなぁ。
旦那様?ん?どないかしはったんだすか?いいや。
それよりどないかなれへんのか?その鼻。
(笑い声)すんまへん。
そやけどこないしておみかんの匂い嗅いでましたらびんつけ油のにおいもちょっとは気にならへんようになりますさかい。
はぁ…そらしゃあないなぁ。
ほな行こか。
へぇ。
亀助はん一人でさみしいこっちゃ思いますけどどうか気張っておくれやす。
へぇ。
ふゆにも亀助はんがどないに頼りになる方かようよう話しときますさかい。
へ?分かりました!亀助さんよろしゅうお頼み申します。
頼むで。
へぇ新次郎さん若奥さん任しとくなはれ!あさ姉ちゃ〜ん!
こうしてあさは新次郎やうめと一緒に九州の炭坑から大阪に帰っていきました
数日後大阪の加野屋に着くと…
今帰ったで!
(一同)お帰りやす。
(榮三郎)お姉さんどないしはったんだす!?話は後や。
早布団敷いたって。
へぇ今すぐ。
(正吉)あさちゃん帰ってきたんやて!
(よの)あささん。
いやあささん…あさ…やぁ!どないしたん?つわりだす。
何食べさしても吐いてしまいますのや。
はぁ…。
あんたほれ…ええ鍼の先生知ってはりましたやろ。
かの!早来てもろて。
(かの)かしこまりました。
あさ帰ってきましたで。
もう大丈夫。
大丈夫やさかいな。
ほい。
(ふゆ)おあさ様…。
あさのつわりはそれから1か月以上も続いた後季節の変わる頃になってようやく少しずつ落ち着いてゆきました

(うめ)腹帯お締め致しました。
まあ。
ようよう無事に帯祝いがでけましたなぁ。
ほんまやなぁ。
一時はどないなる事かいなと思て心配しとりましたんやで。
ご迷惑おかけしてすんまへんだした。
せやけどまだムチャはあきまへんで。
もうあんただけの体やあれへんのやさかいな。
へぇ。
そのとおりに致します。
あ〜れま!今日はいやに素直やないの。
(笑い声)今回ばっかりはほんま身にしみました。
体は丈夫な方や思てたけどこない苦しい事もあるんやて…。
きっとおなかの子ぉが教えてくれたんだす。
思い上がったらあかんて。
そら頼もしいな。
頭のええ子や。
へぇせやさかいもう無理は致しまへん。
無理は子が生まれてからに致します。
(新次郎よの)はぁ?おあさ様!何にも懲りてまへんがな。
いかにもこれあさちゃんらしいけれどもほどほどにしときなはれや。
ほな行きまひょ。
あっ!お守り袋お守り袋はと…。
(弥七)けど近頃の町では髷結うてる者がえらい減りましたなぁ。
へぇ断髪令が出てからもう5年たちますさかいなぁ。
(かの)何でも異国では髷は豚の尻尾やゆうて笑われるて。
はぁ!失礼な話やな。
けどこない暑い季節になってきたらああいうさっぱりした頭羨ましいなぁ。

(よの)かの〜。
は〜いただいま!はぁ〜ええ匂い。
さっぱりなぁ…。
そして東京の今井の家からも…
こないようけ…。
へぇ奥様からだす。
今は旦那様と忠嗣様は銀行いうののお支度で大変でどうしても来られへんいうてこないにぎょうさんええお薬送ってくれはりました。
銀行…いよいよお父はんの願てはった今井の銀行が出来ますのやな。
(正吉)うん…。
今井さんが銀行を開業しはったらまあほかの両替商も次々と銀行に変わっていくというこういう流れだすな。
はぁ…銀行だすか?うん。
ほんま言うたらな3年前にもうあさちゃんは加野屋を銀行にしたいと言うてはりましたのや。
回想バンクや。
バンク?そうだす。
銀行だす。
お姉ちゃん。
お父はんが作りはる銀行いうのはな志のある人を応援するためにお金貸してくれはるとこなんだす。
せやったなぁ。
正直言うて今の加野屋は両替商の看板はあげてるだけでここからは何の儲けもあらしまへんなぁ。
石炭の稼ぎの方でようようやってるというもうみんな知ってる事だす。
先祖代々のお金の仕事続けよ思たら銀行になるしかあらへんのだすやろか?うん…。
そらまあお前たちの判断だすな。
雁助どない思う?
(雁助)へぇ…。
まあ両替屋っちゅう仕事が時代に合うてへんようになってきたのは確かだす。
せやけど銀行が志のある者に金貸すなんて誰がそないな怪しい話信じます?う〜ん…。
(雁助)わては銀行なんちゅうもんはただのはやりで所詮長うない思てます。
加野屋も無理して変わらんでも今のままでもっとええすべ探したらええんやないかて。
そやな。
うん…わてもそない思いますわ。
五代さんは「銀行は両替商の新しい形や」てたきつけはるけどあれは異国帰りのお人の考えや。
わても日本でそないあっさり銀行が通用するとは思わへん。
お兄ちゃんどないだす?うん…。
ん?いやせやからそないな異国の流れをあっさり取り入れてええんかいう話で。
異国のもんやなんて金輪際関係あれへんて思てたけどええもんやったら取り入れていかなあかんしなぁ。
え?銀行にした方がええって言いはりますのか?は?いやわてそないな事どっちゃでもかまへん。
待っとくれやす。
ややこが男の子か女の子かあさに似てるかわてに似てるかそれやったらまだしも銀行か両替屋かなんぞどっちゃでもよろし。
何にもケチつけへんさかい雁助とお前とあさで決めてぇな。
そんな…。
せや!あさはおなかすいてる時はまだ気分悪い言うてるよって話すんのやったら満腹の時にしたってな。
ほなな。
はぁ…。
何でお兄ちゃんはあないにお商売の話嫌がりはりますのやろ?お子がでけてちょっとは変わるか思たのに…。
榮三郎!やっぱりお前も一緒に行こ。
雁助もな!
(2人)はい?おあさ様そんなんうちがやります。
おおきに。
これくらいもう平気や。
それにようお掃除した方がきれいなややこが生まれるていいますしな。
へぇ…。
おあさ様。
五代様がお見えになってはります。
へ?五代様が?すんまへん。
八代目も主人もどっか出ておりまして…。
一体どこに行ってしもたんやろ。
(友厚)いやいやよかった。
寝込んだはるて聞いてましたんやけどお顔の色ももうよろしいようですな。
そやけど寄合所にも行かれしまへんのや。
何言うてはります。
子どもを産み育てるいう事はほかのどんな新しい産業興すよりもお国のためになる事です。
そないな事だすやろか?はい。
しかしなぁあなたが母親になるなんてな。
フフッ。
自分でもまだ信じられまへん。
お姉ちゃん見てたら妊婦さんてえらい優しい顔してはる思てましたけど…何でかうちはまるであべこべで。
五代様はどないだす?今は何したはるんだすか?ええ前に一緒に見た米会所覚えてはりますか?ああ!
(友厚)あれだけ栄えてた堂島の米相場も今では昔ほどのにぎわいはなくなってしまいました。
私は大阪経済のためにあれを再生させなあかん思てまして今いろんな人たちの力借りて動いてるとこです。
わぁそらすばらしい事だすなぁ。
何やそないな話聞いてたら動きとうてムズムズしてしまいます。
焦る事はありません。
今はお金の事や仕事の事は考えんかてよろし。
どんなに働いてても人は皆いずれ死んでしまうしお金は墓場には持っていかれへん。
それよりも問題は後世に何を残せるかだけです。
後世に何を残せるか…?・
(うめ)あ…あれま!ん?うめの声だす。
どないしたんやろ?うめどないしましたんや?新次郎様が…。
榮三郎様も。
番頭さんまで!何言うてるのかちょっとも分からしまへんがな。
ん?あれは…!へ?し…新次郎様!やぁなんて事…フフッ。
さっぱりぽんや!生字幕放送でお伝えします2015/12/08(火) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(62)「九転び十起き」[解][字][デ]

つわりに苦しむあさ(波瑠)を連れて、新次郎(玉木宏)は大阪に戻ってくる。すると新次郎はあることを思い…。さらに五代友厚(ディーン・フジオカ)がやってくると…

詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)は、相変わらずつわりに苦しんでいた。新次郎(玉木宏)は炭坑で働くサトシ(長塚圭史)のことが気になったが、あさを連れて大阪に戻っていく。大阪の家で過ごすうちに、体調がよくなっていくあさ。新次郎は、街の人の多くが断髪していることが気になって…。そして、あさのもとを五代友厚(ディーン・フジオカ)が訪ね、話が弾んでいると、そこへ現れたのは…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,三宅弘城,山内圭哉,友近,桐山照史,清原果耶,楠見薫,竹下健人,郷原慧,畦田ひとみ,北原雅樹,平田理,中山義紘,富田靖子,長塚圭史,山崎銀之丞,梶原善ほか
原作・脚本
【作】大森美香

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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