「待ってた」「信じてた」 サポーター博多駅で出迎え
経営難や下位低迷を乗り越えてきたからこそ、喜びもひとしおだった。アビスパ福岡の5年ぶりのJ1昇格が決まると、各地から大阪・長居に集結していたアビスパサポーター約9千人は、手をたたき合い、抱き合って喜びを爆発させた。「この瞬間を待っていた」。大声援でチームを鼓舞し続けたサポーターたちの絶叫が長居の夜空に響いた。
「やってくれると信じてた!」。福岡市東区の会社員宮本圭史さん(39)は力強くガッツポーズした。同点ゴールの中村北斗選手(30)の背番号入りシャツを着て応援。今季復帰した時から「昇格請負人になると期待していました」。
試合は、相手に先制を許し、得点できないまま終盤へ。「昇格」は消えかけていただけに、土壇場の後半42分、中村選手のゴールが決まると、サポーターは総立ちに。だれもが「よっしゃー」と声を上げた。
福岡県小郡市出身で、大阪の大学に通う野田愛華さん(19)は昇格が決まると、熱気で上気した顔で「地元だから、やっぱりうれしい」。城後寿主将(29)の叔母吉川明美さん(48)も名古屋市から駆け付けた。「小さい頃からいつもボールを離さなかった。来年もこの勢いで突っ走って」
2年前は経営難による存続の危機もあった。同県宇美町の会社員南里俊範さん(56)は「よくここまで持ち直した。しっかりとJ1に定着できるチームづくりをして」と期待を込めた。
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チームは6日午後10時半すぎ、新幹線で地元福岡に到着し、JR博多駅前で昇格決定を報告。城後主将が「皆さんの顔を見ると同時に、昇格の実感が湧いた。来年はJ1優勝を目指したい」とあいさつし、集まった約千人のサポーターと喜びを分かち合った。
=2015/12/07付 西日本新聞朝刊=