仮想通貨の経済バランス : Sources and Sinks
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2015年12月10日木曜日
[この記事は Damien Mabin、デベロッパーアドボケートによる Android Developers Blog の記事 "Virtual currency: Sources and Sinks" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]
仮想通貨を提供し、無料提供をうたったモバイル ゲームが近年増えていますが、ゲーム開発時に陥りがちな危険が多数あることも認識しておかなくてはなりません。1 つめの危険は経済バランスが狂うことです。Play Games Services のツールに含まれる Sources and Sinks は、ゲームの仮想経済バランスを測る便利な機能です。
ゲーム経済における現在の状況を、簡単な図式を使って視覚化できます。下の図 1 では、x 軸 (時間) と y 軸 (仮想通貨の量) 上に、2 つの曲線があります。
図 1: 収益性の低い経済状態
図のこれらの曲線は何を意味しているのでしょうか?この場合、ゲームの収益化が期待できないことを示しています。稼いだ通貨量より使った通貨量が少なければ、ユーザーは黒字になります。ユーザーはお金が足りないと感じていません。これはプレイヤーが通貨の使い方または通貨を使うことの価値を理解していないということです。仮想通貨を利用可能なコンテンツがどのくらいあるか、またそのようなコンテンツをすぐに見つけやすくなっているかを再検証する必要があります。またインフレは好ましくないため、ゲームで稼ぐことができる通貨の量を減らすことを検討しても良いでしょう。最終的に、図 2 のような曲線を描くことが望ましいといえます。
図 2 バランスのとれた経済
図 1 よりかなり改善されました。ユーザーは、稼ぐ量よりも多くの通貨を使っています。でも少し待ってください。なぜこのようになったのでしょうか?これには 2 つの理由があります。1 つめは、プレイヤーが変更の前に貯めていた通貨のストックを使っているからです。そして 2 つ目は、ユーザーがアプリで購入した通貨は、上の図に含めるべきではないということです。これは覚えておくべき重要なポイントです。もう数日待てば、2 つの曲線が少し近づくでしょう。その差分が、ユーザーが IAP を通じて購入した仮想通貨ということになります。
図 3 安定した経済
Play Games Services では、コード 2 行でこのように経済を視覚化できます。iOS や Android でも利用でき、ユーザーがサインインする必要もありません。Android や iOS のアプリでは以下のようになります。
実装方法についての詳細はこちらをご覧ください。
実装が完了すれば、Play Store デベロッパー コンソール にてグラフを表示することができます。[Game Service] セクションで、[Player analytics] から [overview] をクリックしてください。
Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team
仮想通貨を提供し、無料提供をうたったモバイル ゲームが近年増えていますが、ゲーム開発時に陥りがちな危険が多数あることも認識しておかなくてはなりません。1 つめの危険は経済バランスが狂うことです。Play Games Services のツールに含まれる Sources and Sinks は、ゲームの仮想経済バランスを測る便利な機能です。
ゲーム経済における現在の状況を、簡単な図式を使って視覚化できます。下の図 1 では、x 軸 (時間) と y 軸 (仮想通貨の量) 上に、2 つの曲線があります。
- 1 つはプレイヤーが稼いだ仮想通貨の量 (オレンジ色の線)です
- もう 1 つはプレイヤーが使った仮想通貨の量です (緑色の線)
実装が完了すれば、Play Store デベロッパー コンソール にてグラフを表示することができます。[Game Service] セクションで、[Player analytics] から [overview] をクリックしてください。
Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team