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民泊「簡易宿所」の許可取得を義務化 厚労省、旅館業法改正は見送りへ
自宅の空き部屋などに旅行者を有料で泊める「民泊」をめぐり、政府・与党は9日、民泊を旅館業法で定める「簡易宿所」と位置付けた上で、サービスの提供者に営業許可の取得を義務付ける方針を固めた。成長戦略の一環として「観光立国」を掲げる安倍晋三首相は、宿泊施設不足の解消に向けた規制緩和を指示しており、厚生労働省は義務付けと合わせて申請手続きを簡素化するなどの省令改正を平成28年度中に行う。
民泊に関しては、自民党の観光立国調査会が昨年からルール作りを検討していた。政府は10日の同調査会小委員会で方針を示す。
全国で約2万カ所に上るとされる民泊は大半が旅館業法に違反した無許可営業とみられ、近隣住民とのトラブルなどが社会問題化しつつある。一方、年間2千万人に迫る勢いで急増する訪日客の宿泊需要をさばく手段としては有効で、行政の目が行き届くよう規制の網をかけることにした。
政府は国会審議が必要な旅館業法改正は見送り、省令で民泊をカプセルホテルなどと同じ簡易宿所に分類。その上で、客室の延べ床面積を最低33平方メートルとする基準や帳場の設置義務などの規制緩和を検討する。