ライフハッカー編集部 - こころ,アイデア発想術,メンタル,仕事術,働き方,教育,生産性向上 11:30 AM
職場にコンフォーミティ(同調性)を持ち込まないほうがよい理由
Inc.:クリエイティブで熱意あふれる社員に会社を活気づけてほしいのなら、役割を固定化してしまわずに、1人1人の存在を認めてあげる必要があります。
スマートでイノベーティブかつ生産的な企業運営には、職場の多様性を育むことがキーポイントとなります。ただし、多様性と言っても人種や信仰、性指向だけの話ではありません。
人にはそれぞれの考え方、才能、技術があり、その多様さが偉業を成し遂げる上で役立つのです。よって会社は、社員が自分らしくいられるようにしてやる必要があります。非の打ちどころのない人材を探して、特定の役割にはめ込もうとするならば、経営は悪化をたどる一方です。
ロンドン・ビジネス・スクール組織行動学教授のRob Goffee氏とマドリードIEビジネススクール客員教授のGareth Jones氏は、米ビジネス誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』で、コンフォーミティ(同調性)を育てると、企業にとって有害となるということについて解説しています。
Goffee氏と Jones氏は、社員やリーダーの「自己表現や個性、多様性に関する経験を後押しするビジネス環境」について研究を行いました。そこでわかったのは、個人の本当の姿をサポートする職場には、従業員の高いエンゲージメント(愛着心)があり、それは回りまわって顧客体験を向上させ、クリエイティビティを活発化し、企業内でリーダーを育てるパイプラインを築き上げている、ということです。
リーダーの下には、独自の才能や技術をもつ多様な人々が労働力として存在しています。しかし、彼らのリーダーは、個々の才能を把握し、役立てているでしょうか?
細分化した役割を各社員に割り当てるということは、それぞれの弱点も考えずに、その役割を押し付けることになりかねません。それでは、結局標準以下の仕事しかしない、エンゲージメントの低い従業員を作ってしまいます。
Goffee氏とJones氏によれば、残念ながら多くの企業で、社員の個人特性が「組織の専門的リーダーシップ育成の過程でつぶされている」のだそうです。
コンフォーミティによって、もっとも被害を受けるのはクリエイティブでイノベーティブな人、物を作ったり発明したりする人たちであり、彼らはまさに企業にとってほしい人材です。しかし、コンフォーミティを育てることで、組織のすべての人が波風を立てたくないと考えるようになり、企業目標の達成について鋭い疑問をぶつける人もいなくなります。
まるで自分の会社のことのようだと感じたのなら、Goffee氏とJones氏の言うように事態を改善しましょう。役割の固定化はもうやめて、社員がユニークでいられるよう、何でも表現できる企業文化を作りましょう。社員が自分の意見を言い合い、それぞれの才能と熱い情熱で企業目標を達成するのだという、信念をもてるような職場にするのです。
Why You Need to Avoid Conformity in Your Workplace|Inc.
Will Yakowicz (訳:コニャック)
Photo by Shutterstock.
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