ディストレスト債投資の最大手が太鼓判-「リーマン破綻」以来の好機
2015/12/10 03:30 JST
(ブルームバーグ):ディストレスト債投資で世界最大手、オークツリー・キャピタルのハワード・マークス共同会長によれば、現在はリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻直後以来の好機だ。
同氏は8日、ゴールドマン・サックス・グループが主催したニューヨークでの会議で「リーマン直後はすることがあり過ぎるほどあった。今もまたそうなっている」と語った。リーマンは2008年9月に破綻した。「クレジット投資家にとって、今は数年ぶりの好機だ。これまでは本当に長かった」と振り返った。
オークツリーはリーマン破綻後にディストレスト債に巨額の投資をし、高い利益を上げた。7-9月(第3四半期)の決算報告によれば、主要ファンドのオポチュニティーズ・ファンドⅦは集めた資本135億ドル(約1兆6600億円)に対し、これまでに220億ドルを投資家に分配した。
オークツリーの幹部らは少なくとも13年から、ディストレスト債投資の機会の無さを嘆いていた。それが今年8月に一変。中国経済の予想以上の減速への懸念から株と高利回り債が売られ、原油値下がりが続く中でエネルギー会社が特に売り込まれる展開となったからだ。
マークス氏によると、9月以降にさまざまな業種で多くの社債が値下がりし、価格は額面1ドルに対して90セントから60セントに下がった。オークツリーは多くの時間を石油とガス会社の分析に費やしているという。
エネルギー会社の高利回り債の価格は昨年6月に比べて25%下落している。北海ブレント原油は8日に一時1バレル=40ドルを割り込んだ。
マークス氏は「ヘッジは役に立たなくなっている。石油会社は与信枠を失うだろう」と述べ、「値下がりと弱さが買い手候補を喜ばせる」と話した。
原題:Oaktree’s Marks Likens Distressed Conditions to Post-Lehman (1)(抜粋)
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更新日時: 2015/12/10 03:30 JST