テクノロジーに愛されたアイドル・篠崎愛の2015年

2015.12.10 10:00

グラビアアイドル、タレント、歌手と多彩な活躍を見せる篠崎愛。2015年はオキュラスリフトを使った強刺激体感型ゲーム"ONI- GOKKO"の体験、クラウドファンディングで話題を集めた「篠崎愛AI化」プロジェクト、「テクノロジーと音楽で、未来を届ける」をテーマに行われた「POST@岐阜」や「TOKYO BASEMENT JACKS!!!」への出演など、話題の企画やイベントで彼女の名前を聞くことが多かった一年。昨日発売された1stソロアルバム『EAT 'EM AND SMILE』に先駆けて公開された、世界初スマホを裏向けないと聴くことが出来ないMV「LISTEN TO AI SHINOZAKI ー私を、聴いて。」など、SENSORSは「テクノロジーに愛されたアイドル」としての篠崎さんに注目した。

12月8日に公開された世界初のスマホを裏側に向けないと楽曲を聴くことが出来ないミュージックビデオ「LISTEN TO AI SHINOZAKIー私を聴いて」。

スマホ・ミュージックビデオ『LISTEN TO AI SHINOZAKI~私を、聴いて。』のデモを行う篠崎愛。

ソロデビューアルバム『EAT 'EM AND SMILE』リリース前日に発表されたMVで、ユーザーに"見るか"、"聴くか"究極の二択を迫るものとなっている。ユーザーはスマホからMVへアクセスすると、楽曲は再生されず、篠崎さんのビジュアルが流れ続ける。スマホを裏向けることではじめて楽曲(アルバム収録曲「メモライズ」(Short Version))が再生されるという仕組みだ。
「歌に耳を傾けてほしい」というこの取り組みを行った彼女の気持ちや2ndシングル「ヒカリ」のMV撮影を行ったNY滞在の理由と成果については「"シンガー・篠崎愛"にインタビュー〜NY修行の成果と1stアルバムへの想い」をご覧いただきたい。

■テクノロジーに触れるきっかけとなったオキュラスリフト体験「別の世界に入り込んだ感じだった」

ニコニコ超会議(4/25・26)、真鍋大度氏、tomad氏なども参加した"テクノロジーと音楽で、未来を届ける"をテーマに行われた「POST@岐阜」(10/11)、シブカル祭(10/16-25)、東京の巨大地下廃墟で開催されたディスコ「TOKYO BASEMENT JACKS!!!」(11/3)など2015年話題を集めた多くのイベントで引っ張りだこだった篠崎愛。

彼女がテクノロジーに触れるキッカケになったのがVRを使った体感型ゲーム"ONI-GOKKO"だったという。オキュラスリフトを装着し、ペプシTVCM「桃太郎」シリーズの世界観が360度再現された中を桃太郎の宿敵"鬼"をかわしてゴールを目指すというものだ。

バーチャルリアリティで表現された荒涼とした街や荒野に鬼が出現。自分に迫ってくる鬼に対して、全速力で逃げたりジャンプしたり、臨場感たっぷりのコンテンツ。自身初めてのVRだったというこの時の体験を振り返ってもらった。

篠崎:
いや、本当にすごかったです。別の世界に入り込んだと錯覚するくらいリアルでした。鬼に本当に踏み潰されてしまうんじゃないかと叫びまくってしまいました。オキュラスリフトを外した後は疲れて、もうヘトヘトで...。
以前はテクノロジーに対して難しいものだというイメージを持っていましたが、実際に触れてみることですごく身近なものに感じましたし、色んなものに混ぜ混んでいったら楽しいものができるのではないでしょうか。

これを機に関心を持ったという彼女は、自分をVRのコンテンツにしてみるのも面白いかもしれないと語った。

■テクノロジーに急接近した「篠崎愛AIプロジェクト」

「テクノロジー×篠崎愛」のイメージが強く印象付けられるきっかけとなり、各所で話題を生んだ「篠崎愛AIプロジェクト」。タレントを「一生残る存在にしたい」という思いから、"篠崎愛の人工知能(AI)"を作り出すことを目指した試みだった。

アイドルをAI化することで、ファンは24時間いつでも対話できるようになったり、街中の電子案内板などの社会インフラの中に溶け込んでいったり、新しいタレントの活躍の仕方が広がっていく。

■「今後も積極的にテクノロジーを取り込み、活動の幅を広げていきたい」

ユニークなイベントへの参加や企画を通して活動に興味を持ってくれるファン層が広がっているのだとか。はじめは遠い存在だったというテクノロジーも触れる機会が増えるにつれ、身近なものとなり、その可能性にも気づき始めている。

篠崎:
テクノロジーに実際触れてみることで実は身近なものだということが分かりました。今後は色んな歌手活動の表現にもテクノロジーを組み込んでいくことで、幅がどんどん広がっていくと思います。ファンの人にも楽しんでもらえると思いますね。

最近よく使うアプリはSnapchat。NY滞在中も友人に現地の雰囲気を感じてもらいたく、多くの写真や動画を送ったという。
[Photo Credit: Hajime Kamiiisaka]

今後も積極的にテクノロジーを使いながら、ファンとの接点も増やしていきたいという彼女。特に女性クリエイターとのコラボに興味を持っているそう。人生で最も重要なことは「歌うこと」と「食べること」という篠崎さんに、さらにテクノロジーが加わり見せる新たな一面に2016年も期待したい。

取材・文:長谷川リョー

SENSORS Senior Editor
1990年生まれ。フリーライター。これまで『週刊プレイボーイ』『GQ JAPAN』WEBなどで執筆。「BOSCA」編集長。東京大学大学院学際情報学府在籍。最近の関心領域は「人工知能」。将来の夢は馬主になることです。
Twitter:@_ryh

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