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八木アンテナ発明に貢献 斎藤報恩会が解散

斎藤報恩会自然史博物館=2008年12月

 戦前から東北大研究者らを助成してきた財団法人斎藤報恩会(仙台市)が9月末に解散していたことが9日、分かった。支援先には「八木・宇田アンテナ」を発明した旧東北帝大(現東北大)の故八木秀次教授や同大総長で世界的な金属学者だった故本多光太郎氏もおり、特に昭和初期は学都仙台を支える存在だった。
 報恩会は1923年、石巻市の大地主だった故斎藤善右衛門が私財300万円を投じて設立。当時画期的だった民間による研究費助成に取り組んだ。特に東北大とのつながりが深かった。
 青葉区本町の旧ホテル仙台プラザ隣に自然史博物館を構え、貝類や魚類の化石標本、鳥類のはく製などを収蔵・展示していたが、財政難から活動を縮小。2009年に自然史博物館を閉館し、同館を引き継いだ斎藤報恩会博物館もことし3月に閉じた。
 所蔵品は仙台市や東北大に贈った。ことし5月には元東北大総長の西澤潤一理事らが市を訪れ、市指定文化財「奥州仙台城絵図」や肉食恐竜アロサウルスの骨格複製標本など約3300点を寄贈した。
 解散は評議員会で9月2日に決めた。浜田直嗣理事(宮城県慶長使節船ミュージアム館長)は「戦前は研究助成団体として全国有数だったが、助成に必要な基金が減少した上に理事の高齢化も進んだ。寄贈した資料が次世代の研究に役立つことを願う」と語った。
 仙台市博物館の内山淳一副館長は「民間が研究助成金を出すというのは先駆的な取り組みで、息の長い活動は学都仙台の誇りだった。使命を終えたということだろう」と話した。


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2015年12月10日木曜日

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