独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れ問題で、米環境保護局(EPA)は2日、VW傘下の「ポルシェ」など高級車に搭載されたディーゼルエンジンでも新たにソフトウェアの不正が見つかったと発表した。ただ、VWは同日、発表内容を否定するコメントを出した。

 EPAが新たに指摘したのは、ポルシェの「カイエン」やアウディの「A8」、VW「トゥアレグ」などの7車種で、2014~16年のモデル。9月中旬にVWの不正を初めて公表した時点では、エンジンの排気量が2リットルの車が対象だったが、その後の調査で排気量3リットルの車でも違法ソフトが搭載された不正が確認されたという。

 EPAによると、排ガス試験の時だけ有害物質の排出を低く抑え、実際に路上で走った時は最大で当局の基準の9倍の窒素酸化物を出していたという。米国内で少なくとも1万台が販売されたとみられる。VWとアウディのディーゼル車は、日本での販売はないという。

 VWは「排気量が3リットルの車のディーゼルエンジンには、不正なやり方で排ガス量を操作するソフトウェアは搭載されていない」との声明を発表し、EPAの指摘を否定した。一方で「実態解明のため今後も当局の調査に全面的に協力する」との姿勢も改めて示した。(ニューヨーク=畑中徹)