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小牧の新図書館、白紙から議論 20歳未満含め市民調査

 小牧市の新図書館建設問題で、山下史守朗(しずお)市長は九日の市議会一般質問に対し、「現在の計画にこだわらず、ゼロベースで議論をスタートさせたい」と答え、白紙の状態で新たな計画を作る考えを示した。現行計画について市民の意見を聞き、必要な部分だけを見直す方針を転換した。

 小川真由美(市民クラブ)、河内伸一(牧政会)両議員の質問に答えた。

 山下市長は、名鉄小牧駅前に造る現在の計画が、中心市街地の活性化と現図書館の老朽化という二つの課題を解決できるものだと説明した上で「両課題についてゼロベースで議論したい」と答弁。白紙から議論を始めるのに必要な条例改正案を、今議会に提出する考えを示した。

 昨年六月議会で可決した市立図書館設置管理条例改正案では、新図書館の建設場所を小牧駅前とし、運営面では指定管理者制度を導入するとしていた。今回提出する改正案では、建設地を現図書館がある場所に、運営を市直営にそれぞれ戻し、白紙の状態にする。河内議員は一般質問で示された市側の姿勢について「非常に評価できる」と述べた。

 計画作成に向けては二十歳未満の市民も対象に、中心市街地の活性化と図書館建設についてアンケートを実施したい考え。調査項目については市議会の意見を聞いて決める。

 市は住民投票の結果を受け、それまで連携して計画を進めてきたレンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)運営会社とのアドバイザリー業務契約を十月三十日に解消した。市議会の中には計画の白紙撤回を求める声があったが、山下市長は現計画の問題点を検証する方針を継続。このため市議会の反発を受け、検証に必要な経費を計上した補正予算案の十二月議会への提出を見送らざるを得ないなど、手詰まりになっていた。

(金森篤史)

 

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