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COP21 議長の合意案に途上国から反発も
12月10日 7時28分

COP21 議長の合意案に途上国から反発も
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フランスで開かれている地球温暖化対策の国連の会議、COP21で9日、閣僚級の議論を踏まえた議長の合意案が初めて示されました。しかし、資金支援を巡って、発展途上国側から先進国の約束が不十分だといった意見が相次ぎ、会議が終盤を迎えても厳しい交渉が続いています。
パリ近郊で開かれているCOP21は、京都議定書に代わる2020年以降の新たな枠組みの合意を目指して閣僚級の協議が続いていて、日本時間の9日夜遅く、議長国フランスが初めて合意案の文書を示しました。
合意案は29ページに整理され、最終的な文書に近い形になっていますが、まだ多くの点で先進国と途上国、双方の異なる意見を反映した選択肢が残されています。
この合意案について日本時間の午前4時すぎから開かれた閣僚級の会合で、各国はこの案を元に交渉を進めることは了承しました。
しかし、南アフリカが発展途上国を代表して「先進国の資金支援には法的な拘束力もなく長期的に支援がどうなるかも不透明だ」と述べるなど、資金支援を巡って途上国から批判が相次ぎました。
一方で、EU=ヨーロッパ連合からも経済力のある新興国などが途上国に資金支援することを明確にすべきだと意見が出るなど先進国と途上国の立場の違いが改めて浮き彫りになりました。
閣僚級会合は今週末の合意を目指して対立点ごとにさらに協議を続けることになり、双方の妥協点を探る厳しい交渉が続いています。

ホッキョクグマの巨大な模型登場

フランスで開かれている地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP21の会場には温暖化によって絶滅の危機にさらされているホッキョクグマの巨大な模型が登場し、世界各地の先住民も集まって各国の交渉担当者に合意を強く訴えました。
9日、会場の一角に登場したのは国際的な環境保護団体が作ったホッキョクグマの模型、「オーロラ」です。
高さおよそ4メートル、重さ3.7トンほどの「オーロラ」の前には、温暖化の影響で暮らしが脅かされているという世界各地の先住民の人たちなどおよそ30人が集まりました。
そして協議の場に向かう各国の交渉担当者たちに対して「オーロラ」が雄たけびを上げたり、集まった先住民たちが「われわれには温暖化対策が必要だ」と訴えたりしていました。
参加したブラジルのアマゾンに住む先住民の女性は、「私たちの住んでいる地域でも森林破壊が進み、それが温暖化を引き起こし、自分たちの生活環境を脅かしている」と話し、現状への懸念をあらわしていました。
主催した環境保護団体の代表は「先住民の人たちはすでに温暖化の影響を受けている。環境の変化に弱い人々の声に応えるような合意をしてほしい」と話していました。

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