日本の右翼歴史学者50人が「米国の教科書に掲載されている日本軍動員による慰安婦関連記述は間違っている」として、米国歴史学会(AHA)が発行する学会誌「歴史に対する展望」に修正を要求する文章を寄稿、物議を醸している。伊藤隆東京大学名誉教授ら50人はマグロウヒル社が出版した米国の公立高校世界史教科書の中にある「日本軍が強制的に慰安婦を動員し、戦争が終わった後は自らの罪を隠すため多くの慰安婦を殺害した」などの内容を問題視した。伊藤教授らは「マグロウヒル社の教科書で慰安婦と関連して記述した2段落・26行から8つの明白な事実関係の誤りが発見された。もし米政府が同じような状況に置かれたとしたら、比べものにならないほど激しく教科書の著者と出版社に問題提起するだろう。日本の陸軍が天皇の贈り物として女性を兵士に与えたという内容や慰安婦を虐殺したという内容に関する証拠はない」と強く反発した。
日本の学者たちのこのような動きは、米国の学者や専門家に対して日本国内の右翼勢力が慰安婦に関する歴史的事実を全面否定する書籍を無差別に送りつけていることとも合致する。最近の日本の右翼勢力は産経新聞社が製作した『歴史戦 朝日新聞が世界にまいた「慰安婦」の嘘を討つ』と、韓国生まれで日本国籍を取得、韓国バッシングの先頭に立っている呉善花(オ・ソンファ)拓殖大学教授が書いた『なぜ「反日韓国に未来はない」のか』という書籍を配布するなど、米国内の世論をつかもうと力を入れている。
これについて、日本の歴史歪曲(わいきょく)に対して批判を主導してきアレクシス・ダデン米コネチカット大学教授らは、同じ学会誌に「複数の強制動員の証拠が、日本の文献にも登場する」と反論した。