Kim Yu-naでなくYuna Kim?―キム・ヨナ選手の英語表記
韓国のフィギュアスケート選手キム・ヨナ(金妍兒)がバンクーバーオリンピックで見せた華麗な演技はいまだに記憶に新しいが、彼女はソチでも金メダルを手にするのだろうか。
20日のショートプログラム(SP)では首位につけたキム・ヨナが、フリーでもロシアの新星ユリア・リプニツカヤや日本の宿敵、浅田真央の追撃を許さないのかといった問題に加え、世界のメディアの間では彼女の名前の表記方法をめぐっても熱い議論が繰り広げられている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は自社のスタイルブックに則してKim Yu-naと表記している。韓国人は名字の次に下の名前を書き、下の名前をハイフンでつなぐ。ちなみに北朝鮮人は下の名前をすべて大文字で始め、ハイフンは使わない。
しかし、AP通信は最近になって、本人からの要請により、Kim Yu-naから Yuna Kimに表記方法を改めると通知した。これまではキム選手は英語での表記について、自身の希望をはっきりと表明していなかった。
スケート選手の運営機関 オール・ザット・スポーツ(ATS)のKim Sun-young氏は、2010年からキム選手のパスポート上の表記に合わせてYuna Kimを使うようメディア各社に要請してきたと確認した。キム選手の個人的なウェブサイトは、ツイッターでもフェイスブックでもYuna Kimを使っている。
厳密に言えばKim Yu-naもYuna Kimも韓国語での彼女の名前の正確な音訳にはならない。韓国語の国立研究所が発行した「韓国語のローマ字化」の手引書によると、Kim Yeon-aとしなければならない。
一部の韓国人は、海外に住む多くの若い韓国人が自分に欧米風の名前や、外国人が発音しやすい名前をつけているので、キム選手も彼らに倣って英語の名前として「Yuna」を採用した、とみている。しかし、キム選手はATSを通じてこの説明は正しくないと述べた。
ネット上では、彼女のお母さんがローマ字のつづりを間違えたといううわさも飛び交っている。お母さんが娘のパスポートを初めて申請したとき、誤ってYun-aと書いてしまったという説だ。韓国では自国の文字をアルファベットで書くことに慣れていない人がつづりを間違えることは珍しくない。
うわさによると、韓国でパスポートの名前を書き換えるのはほぼ不可能だ。非常にややこしい手続きが必要になるので、キム選手はYunaのままで通すことにした。
キム選手やお母さんからはコメントを得られなかった。
メディアがキム選手の名前をどのように書こうと、彼女が今晩の試合で好成績を残せば韓国のファンは彼女のツイッターIDと同じようにyunaaaと叫ぶに違いない。