コンピューターウイルスをネット上で売買したとして、警視庁と滋賀など4県警は8日、提供した札幌市の中学2年の男子生徒(14)を不正指令電磁的記録提供、受け取った14~17歳の中高生4人を同取得の疑いでそれぞれ書類送検し、発表した。最高で100万円で売買され、生徒らは「金もうけしたかった」と話しているという。

 他に受け取った高校生2人も書類送検する予定。

 警視庁サイバー犯罪対策課によると、男子生徒は6月28日~7月16日、LINE(ライン)などを通じて知り合った男子中高生5人にウイルスを提供した疑いがある。愛知県の中学2年の女子にも渡した疑いがあり、相手は計6人。このうち1人からは報酬として100万円を受け取っていたという。

 ウイルスを受け取ったとされる中高生は、滋賀、千葉、静岡、愛知、福島在住。札幌市の男子生徒とは、主にLINEのタイムラインといわれる掲示板機能でやり取りしていた。「サンプル無料配布」などの書き込みに連絡してきた中高生らに、男子生徒は「一緒にハッキングしよう」「50万円稼げる」などと持ちかけていたという。

 同課の分析では、ウイルスは3種類。ネットバンキングの「不正送金ウイルス」▽感染先のパソコンをロックして解除のために金銭を要求する「身代金要求型ウイルス」▽他人のパソコンを勝手に操作する「遠隔操作ウイルス」で、男子生徒は「ウイルスを使って金もうけをしたかった」と話しているという。

 中高生の1人も「もうけようと思った」と話しているが、これらのウイルスを使ってサイバー攻撃した形跡はないという。