吉川真嗣について

「町屋の人形さま巡り」に代表される新潟県村上の町おこしその立役者の吉川真嗣のプロフィールとこれまでの経緯をご紹介いたします。

まちづくりはこうして始まった

【写真】武家屋敷「道路拡幅による城下町の破壊から、町屋を守れ!」これが、そもそものまちづくりを始めることになる発端でした。
吉川の会社の本店前の道路は県道であり、これが道路拡幅計画に引っかかっていることを知ったのは、1997年11月のこと。しかし当初は道路拡幅に潜む危険性や問題点は何も知らぬ状態でした。しかし運命の時はやってきたのです。その2ヵ月後の1998年1月、当時全国町並み保存連盟の会長だった会津の五十嵐大祐氏と出会い、この道路拡幅計画の危険性を教えられたのです。さらに町屋を守り、歴史と文化を活かすまちづくりこそがこれからの時代に求められている、とまちづくりの方向性をも説いて聞かされたのでした。村上の町にはその道路拡幅の危険性を知る人間が一人もいない状態の中、さらに町は拡幅による近代化一色で盛り上がっている中、一人異を唱えて町屋を守り活かして町を活性化するという吉川のまちづくりがスタートしました。【写真】町屋の人形さま巡りの様子
まず吉川は五十嵐氏の言葉の検証をするために、全国のあちこちの町へ村へ視察見学に出かけます。そしてその後、ある時自分の店に訪れた旅人の言葉から、村上は「町屋の内部空間」が宝なのだとひらめいたのでした。早速、町屋の内部を公開してくれることに賛同してくれるお店を中心に、村上町屋商人会(あきんどかい)を結成。無料で生活空間の町屋の中を22店舗で公開するという全国でも異例の取り組みを展開しました。
その後、この町屋にさらに光を当てようと、「町屋の人形さま巡り」や「町屋の屏風まつり」を立ち上げていきます。今ではすっかり「人形さま」と「屏風まつり」で全国的にも名前を知られるようになった村上ですが、催しの無い平月も常に町屋の内部を公開しているという取り組みが、母体であり原点です。
その後、吉川は城下町らしい景観の整備をと、黒塀プロジェクトや町屋の外観再生プロジェクトなども立ち上げていきます。町屋の公開、催しの開催、そして景観整備を通して、町に賑わいが戻り、市民が自分の町に誇りを取り戻し、町がよみがえってくる様については、吉川美貴著「町屋と人形さまの町おこし」(学芸出版社刊)に詳しく記されています。

吉川真嗣(きっかわ しんじ)のプロフィール

1964 新潟県村上市生まれ。
1988 早稲田大学商学部卒、商社勤務(川鉄商事(株))。
1990 村上に戻り家業の味匠喜っ川(みしょう きっかわ)に勤務、伝承の鮭料理の製造・加工販売業を本業とし現在専務取締役。
1998 村上の危機的状況をみて村上町屋商人会を結成、会長に就任。 まち歩きマップを発行し生活空間である「町屋の内部の公開」を開始。
2000 「町屋の人形さま巡り」を開催(毎年3月開催)村上町屋商人会主催。空き店舗を活用したミニ美術館「旅籠門」を開館
2001 「町屋の屏風まつり」を開催(毎年9月開催)村上町屋商人会主催。「十輪寺えんま堂の骨董市」開始
2002 「チーム黒塀プロジェクト」を結成、黒塀一枚千円運動を起こし市民の力で現在390mができており、延長中。同年より黒塀の小路で 「宵の竹灯籠まつり」(毎年10月第2土日開催)を行う。
2003 BSN新潟放送開局50周年記念ドキュメント賞正賞を同会メンバー(吉川美貴)の作品「村上市の活性化への挑戦」が受賞。一時間の特別番組化され全国20府県で放映される。
2004 全国初の市民基金による「むらかみ町屋の外観再生プロジェクト」を設立。会長に就任。 2012年現在、23棟が再生されている。 国土交通省認定の観光カリスマ百選に選ばれる。
2006 県内32団体で構成する「新潟県まちなみネットワーク」を設立、会長に。
2007 地方自治法施行60周年記念総務大臣表彰を受ける。
2008 「黒塀通りの緑3倍計画」(黒塀小路の緑化事業)を開始。
2009 「国際景観会議2009村上」を開催。(町屋再生プロジェクトが誘致・企画実施の中心的役割を果たす)
村上のまちづくりが、武田鉄矢主演の映画「降りてゆく生き方」のモデルとなる。同年、また、フジテレビの人気番組ビートたけしの「奇跡体験・アンビリバボー」で30分のドラマ化され、「奇跡のまちおこし」として全国放映される。
2010 「伝統的建造物群保存地区」選定に向けて活動開始。
村上のまちづくりが、ミュージカル「トランクロードのかぐや姫」のモデルとなる。
2013 プロジェクト「空き店舗・空き家再生プロジェクト」始動。
城下町村上市民の家内安全・商売繁盛・無病息災等々を願い、毎月定期的に行う「護摩祈祷」を企画・開始。
2014 日本テレビ番組「心ゆさぶれ! 先輩ロックユー」で村上のまちづくりがドラマ仕立てになって放映される。
【写真】吉川真嗣 その他
他の公職に内閣官房の地域活性化伝道師、経済産業省の地域中小企業サポーターなど。 手がけたまちづくり活動は、JTB交流文化賞優秀賞、国土交通省都市景観大賞、ティファニー財団賞、内閣総理大臣賞はじめ様々な賞を受賞。

*NHK「朝の随想」の原稿を紹介

  • 2006年4月から9月までのあいだNHK新潟放送局で放送の「朝の随想」の原稿を紹介いたします。

吉川真嗣(きっかわしんじ)の連絡先

住所
〒958-0842 新潟県村上市大町1−20 
味匠喜っ川(みしょう きっかわ) 吉川真嗣
Tel
0254-53-2213
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