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歩道陥没 ビルに地下水流入か

12月08日 19時21分

歩道陥没 ビルに地下水流入か

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7日夜、名古屋駅近くのビルの建設工事現場に面した歩道が陥没した事故は、歩道側の地下水が土を削りながらビルの地下部分に流れ込んだことが原因と見られることが市や建設会社への取材で分かりました。現場では穴を埋める作業が、9日も続く見通しで、周辺では車が通行止めとなっています。
7日夜6時ごろ名古屋市中村区名駅4丁目で来年6月に完成予定の「シンフォニー豊田ビル」の建設工事現場に面した歩道が、4メートル四方にわたって、約5メートルの深さまで陥没しました。
けがをした人はいませんでした。
名古屋市やビルの建設工事を請け負っている竹中工務店によりますと、陥没は、歩道の下の地下水が土を削りながらビルの地下部分に流れ込んだことが原因とみられるということです。
竹中工務店は地下水の対策としてビルの地下部分の周辺にセメントで固めた土の壁を作っていたということですが、8日午後5時前に壁の一部から水が漏れ始め、鉄板をあてる処置をしても抑えられなかったということです。
現場では、陥没した部分を通る電線やガス管などに問題がないか確認したり、穴を土で埋めながら薬剤で固めたりする作業があすも続く見通しで、周辺では車が通行止めとなっています。
環境地盤工学が専門の名古屋市の大同大学情報学部の大東憲二教授は、地下水の水位が高い名古屋駅周辺で地下の掘削を伴う工事を行う際は、十分な対策が必要だと指摘しています。
大東教授によりますと、地下水の工業利用が盛んだった昭和40年代には名古屋市内の地下水の水位は地下40メートルほどでしたが、水道の普及に伴って利用が減ったことから水位は上昇し、平成に入ってからは地下10メートル以上になったということです。
特に濃尾平野にある名古屋駅周辺は、名古屋市東部に広がる丘陵地に比べて地下水の水位は高く、地下5メートル程だということです。
このため、こうした地下水の水位が高い場所で、ビルなどを建設する際に地下を掘削する場合は、水の流入を防ぐための壁をしっかり作ることが重要だといいます。
壁から水が漏れると地下の土砂が押し流されて、支えを失った地表は大きく陥没することがあるということです。
大東教授は「名古屋駅周辺はリニア中央新幹線の開業に向けて地下深くで工事が盛んに行われるので、地下水の位置を把握して十分な対策をとって事故を防いでほしい」と話していました。

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